内視鏡的に摘出し得た陳旧性肺結核患者に生じた非結核性気管支結石症の 1 例

内視鏡的に摘出し得た陳旧性肺結核患者に生じた非結核性気管支結石症の1例を経験したので報告する。症例は, 肺結核の既往のある52歳の女性で, 血痰を認め当科を受診した。気管支鏡検査を行い, 左B^4気管支入口部にカリフラワー状に突出した黄白色の構造物を認め, 末梢の気管支は完全に閉塞していた。気管支鏡下で生検鉗子を用いて摘出した。摘出後の気管支には, 出血を認めず気管支壁にも穿孔や肥厚の所見はなく, 末梢の気管支まで十分に観察可能であった。摘出物は組織学的に層状の石灰化病変が多数認められ, 気管支結石症と診断した。胸部X線検査および胸部CT検査で肺門リンパ節の石灰化が認められないこと, 気管支壁...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 17; no. 1; pp. 75 - 79
Main Authors 藤村, 政樹, 松田, 保, 水口, 雅之, 大家, 他喜雄, 車谷, 宏, 雨宮, 徳直, 西, 耕一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1995
日本気管支学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.17.1_75

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Summary:内視鏡的に摘出し得た陳旧性肺結核患者に生じた非結核性気管支結石症の1例を経験したので報告する。症例は, 肺結核の既往のある52歳の女性で, 血痰を認め当科を受診した。気管支鏡検査を行い, 左B^4気管支入口部にカリフラワー状に突出した黄白色の構造物を認め, 末梢の気管支は完全に閉塞していた。気管支鏡下で生検鉗子を用いて摘出した。摘出後の気管支には, 出血を認めず気管支壁にも穿孔や肥厚の所見はなく, 末梢の気管支まで十分に観察可能であった。摘出物は組織学的に層状の石灰化病変が多数認められ, 気管支結石症と診断した。胸部X線検査および胸部CT検査で肺門リンパ節の石灰化が認められないこと, 気管支壁の肥厚および穿孔がないうえに, 病理学的に石灰化が層状構造を呈していたことより, 気管支分泌物の貯留によって二次的に生じた気管支結石症と考えられた。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.17.1_75