当院にて経験した気管支肺カルチノイドの6例

背景.肺カルチノイドは肺悪性腫瘍全体の1〜2%程度を占める稀な疾患である. 対象.2004年6月から2009年6月までの過去5年間に当科において診断,治療を施行したカルチノイドの6例を検討した. 結果.当科における過去5年間の肺悪性腫瘍727例中,カルチノイドは0.8%にあたる6例に認めた.平均年齢68.7歳,女性,定型的カルチノイド,右肺が多い傾向が見られ,従来の報告どおりであった.転帰はリンパ節転移症例のみ死亡で他5症例は経過良好である.またFDG-PETについて4症例で施行されていたが,いずれも陽性所見であった. 結論.気管支肺カルチノイドは稀な腫瘍と考えられているが,中枢性の腫瘤や無気...

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Published in気管支学 Vol. 33; no. 1; pp. 16 - 20
Main Authors 緒方, 彩子, 出水, みいる, 高山, 浩一, 井上, 博雅, 中西, 洋一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2011
日本呼吸器内視鏡学会
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Summary:背景.肺カルチノイドは肺悪性腫瘍全体の1〜2%程度を占める稀な疾患である. 対象.2004年6月から2009年6月までの過去5年間に当科において診断,治療を施行したカルチノイドの6例を検討した. 結果.当科における過去5年間の肺悪性腫瘍727例中,カルチノイドは0.8%にあたる6例に認めた.平均年齢68.7歳,女性,定型的カルチノイド,右肺が多い傾向が見られ,従来の報告どおりであった.転帰はリンパ節転移症例のみ死亡で他5症例は経過良好である.またFDG-PETについて4症例で施行されていたが,いずれも陽性所見であった. 結論.気管支肺カルチノイドは稀な腫瘍と考えられているが,中枢性の腫瘤や無気肺を認めた場合には積極的に疑い,気管支鏡検査を含めた精査の必要があると思われた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.33.1_16