びまん性肺胞出血症例の臨床的検討
背景および目的.びまん性肺胞出血(DAH)と診断された症例において原因疾患および臨床像を明らかにし適切な治療法を検討した.方法.2005年3月から2008年10月までに当科で気管支肺胞洗浄(BAL)を施行しDAHと診断した27例について検討を行った.結果.男性19例,女性8例で平均年齢は63.2歳であった.原因疾患として,細菌性肺炎,薬剤性肺炎をはじめとした多彩な疾患が含まれていた.自己免疫疾患との関連が疑われたのは27例中4例に過ぎなかった.16例が軽快,11例が死亡し,治療として11例にステロイドパルスが,7例にステロイドパルスおよび免疫抑制剤の併用がなされた.9例にはいずれも投与されなか...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 32; no. 1; pp. 14 - 21 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2010
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.32.1_14 |
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Summary: | 背景および目的.びまん性肺胞出血(DAH)と診断された症例において原因疾患および臨床像を明らかにし適切な治療法を検討した.方法.2005年3月から2008年10月までに当科で気管支肺胞洗浄(BAL)を施行しDAHと診断した27例について検討を行った.結果.男性19例,女性8例で平均年齢は63.2歳であった.原因疾患として,細菌性肺炎,薬剤性肺炎をはじめとした多彩な疾患が含まれていた.自己免疫疾患との関連が疑われたのは27例中4例に過ぎなかった.16例が軽快,11例が死亡し,治療として11例にステロイドパルスが,7例にステロイドパルスおよび免疫抑制剤の併用がなされた.9例にはいずれも投与されなかったにも関わらず全例軽快していた.結論.DAHの原因疾患は多岐にわたり,治療として多く用いられているステロイドパルス療法や免疫抑制剤の投与は各々の症例に際し原因疾患を考えたうえで適応をよく検討する必要がある. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.32.1_14 |