CTガイド下肺生検、マーキングによる診断の臨床的検討(第25回日本気管支学会総会)
【目的】近年, 画像診断の向上は小型肺病変まで明らかにし, CTを画像ガイドとする診断を余儀なくされる症例が増加してきた. 今回, われわれはCTガイド下肺生検, 術前マーキングの有効性につき検討を加えた. 【対象と方法】2000年1月より2001年12月まで当院にてCTガイド下に肺生検あるいはマーキングを施行した65症例につき検討した. 肺生検には22Gのspinal針を用いたTwo-step法による吸引細胞診を行なった. マーキングには八光のVATSマーカーを用いVATS下に部分切除を施行した. 統計学的検定はt検定, X2検定を行いp<0.05にて有意差ありと判定した. 【結果】平...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 24; no. 3; p. 202 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2002
日本気管支学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.24.3_202_4 |
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Summary: | 【目的】近年, 画像診断の向上は小型肺病変まで明らかにし, CTを画像ガイドとする診断を余儀なくされる症例が増加してきた. 今回, われわれはCTガイド下肺生検, 術前マーキングの有効性につき検討を加えた. 【対象と方法】2000年1月より2001年12月まで当院にてCTガイド下に肺生検あるいはマーキングを施行した65症例につき検討した. 肺生検には22Gのspinal針を用いたTwo-step法による吸引細胞診を行なった. マーキングには八光のVATSマーカーを用いVATS下に部分切除を施行した. 統計学的検定はt検定, X2検定を行いp<0.05にて有意差ありと判定した. 【結果】平均年齢64.2歳, 男性47例, 女性18例. 病変は右肺38例, 右肺27例. 肺葉別では上葉27例, 中葉3例, 下葉35例であり, 区域別の較差はなかった. 肺生検は52例, マーキングは11例行なわれ, 各々の病変の最大径は18.2±7.5mm, 9.9±4.8mmであった. 肺生検にて確定診断が得られた症例は44例(83. 0%)あり, 悪性細胞陽性率は82.7%(24/29)であり気管支鏡診断に比べ有意に診断率は高かった. またマーキング症例は全例, VATS部分切除にて診断が確定した. 穿刺後I~II度の気胸を25例に認め10例にドレナージを要した. また, 術者の被爆量は上葉病変で105.1μSv(n=12), 下葉病変で253.3μSv(n=8)と呼吸性移動が大きい下葉の検査において透視時間が長くなる傾向であった. 【結論】CTガイド下肺生検, マーキングは小型肺病変の診断に有効であるが, 適応症例は厳選した上で行うのが望ましいと考えられた. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.24.3_202_4 |