結核性胸膜炎に対する局所麻酔下胸腔鏡検査の有用性

近年の内科領域における胸腔鏡検査の普及は胸水貯留疾患の診断に大きな変化をもたらしている。当院では1994年より胸水貯留疾患の診断に局所麻酔下胸腔鏡検査を導入しており2000年10月までに110例を経験した。このうち結核性胸膜炎と診断された15例の胸腔鏡所見について検討した。胸腔鏡所見は壁側胸膜上の発赤腫脹60%, 壁側胸膜上の多発性白色小結節75%, 壁側胸膜上の索上膜上白色肥厚性変化60%, フィブリン網形成13.3%の4つに大別でき, これらは結核性胸膜炎の病期にもとづくものと考えられた。15例中13例において胸腔鏡下胸膜生検にて病理診断を得ることができなかった診断率は87%であった。局所...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 23; no. 4; pp. 336 - 340
Main Authors 棟方, 英次, 杉山, 昌裕, 坂野, 健吾, 石橋, 明倫, 伊藤, 友博, 宮崎, 淳一, 堀口, 高彦, 廣瀬, 正裕, 照屋, 林成, 立川, 壮一, 志賀, 守
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2001
日本気管支学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.23.4_336

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Summary:近年の内科領域における胸腔鏡検査の普及は胸水貯留疾患の診断に大きな変化をもたらしている。当院では1994年より胸水貯留疾患の診断に局所麻酔下胸腔鏡検査を導入しており2000年10月までに110例を経験した。このうち結核性胸膜炎と診断された15例の胸腔鏡所見について検討した。胸腔鏡所見は壁側胸膜上の発赤腫脹60%, 壁側胸膜上の多発性白色小結節75%, 壁側胸膜上の索上膜上白色肥厚性変化60%, フィブリン網形成13.3%の4つに大別でき, これらは結核性胸膜炎の病期にもとづくものと考えられた。15例中13例において胸腔鏡下胸膜生検にて病理診断を得ることができなかった診断率は87%であった。局所麻酔下胸腔鏡検査は結核性胸膜炎の診断に極めて有用であり, またその所見から病期の推測が可能であると考えられた。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.23.4_336