ドラッグデリバリーシステム技術を使うためのメディシナルケミストと製剤研究者の協働と戦略
「1. はじめに」医薬品の研究開発プロセスの効率化のため, 探索段階においてはコンビナトリアルケミストリー(combinatorial chemistry;CombiChem)やハイスループットスクリーニング(high-throughput screening;HTS)などの革新的技術や, リード化合物の多面的最適化などの新しい方法論が試みられた. しかし, 研究開発コストの増大と成功確率の低迷といった問題は, いまだ明確な解決策が特定されず, 開発段階でのコストや時間も考慮した効率化が強く要求されている1). つまり新しい医薬品をより早く医療現場に供給し, 同時に投資回収を最大化することが求...
Saved in:
Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 133; no. 1; pp. 67 - 72 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.01.2013
日本薬学会 |
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 「1. はじめに」医薬品の研究開発プロセスの効率化のため, 探索段階においてはコンビナトリアルケミストリー(combinatorial chemistry;CombiChem)やハイスループットスクリーニング(high-throughput screening;HTS)などの革新的技術や, リード化合物の多面的最適化などの新しい方法論が試みられた. しかし, 研究開発コストの増大と成功確率の低迷といった問題は, いまだ明確な解決策が特定されず, 開発段階でのコストや時間も考慮した効率化が強く要求されている1). つまり新しい医薬品をより早く医療現場に供給し, 同時に投資回収を最大化することが求められている. 製剤的観点からは, 適切な製剤を速く開発することにより臨床試験をできるだけ早期に開始し, 開発期間を短縮することが考えられる2). 一方, 物性的・薬物動態的に問題のある新規化合物(new chemical entity;NCE)の開発成功確率の向上や, タンパク・ペプチド・抗体といった新しい医薬品を標的分子に到達させる手段として, ドラッグデリバリーシステム(drugdeliverysystem;DDS)が注目を浴びている. |
---|---|
ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.12-00245-4 |