改正高気圧作業安全衛生規則と労働衛生

「はじめに」高気圧作業とは, 高気圧環境下において労働者が作業することで, これにより労働災害 (特に減圧症, 窒素酔い, 酸素中毒など) が発生することを防止するための規則が高気圧作業安全衛生規則 (高圧則) である. 昭和36年に定められた高圧障害防止規則から成り立つこの規則は, 労働環境の時代変化にそぐわないことから, これまでに様々な問題点が指摘されてきた. そこで今回, 平成26年12月1日に改正され, 平成27年4月1日から施行された改正高圧則のポイントを紹介すると同時に, 労働衛生の視点からみた改正後の現状と問題点を提議したい. 「事業者の責務」高気圧作業は, 大気圧を超える気圧...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 60; no. 2; pp. 41 - 44
Main Authors 森松, 嘉孝, 合志, 清隆, 村田, 幸雄, 合志, 勝子, 井上, 都, 久篠, 奈苗, 松本, 悠貴, 森, 美穂子, 星子, 美智子, 増田, 宏, 石竹, 達也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本産業衛生学会 20.03.2018
日本産業衛生学会
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Summary:「はじめに」高気圧作業とは, 高気圧環境下において労働者が作業することで, これにより労働災害 (特に減圧症, 窒素酔い, 酸素中毒など) が発生することを防止するための規則が高気圧作業安全衛生規則 (高圧則) である. 昭和36年に定められた高圧障害防止規則から成り立つこの規則は, 労働環境の時代変化にそぐわないことから, これまでに様々な問題点が指摘されてきた. そこで今回, 平成26年12月1日に改正され, 平成27年4月1日から施行された改正高圧則のポイントを紹介すると同時に, 労働衛生の視点からみた改正後の現状と問題点を提議したい. 「事業者の責務」高気圧作業は, 大気圧を超える気圧下の作業室, 又はシャフトの内部で行う圧気土木作業と, 潜水器具を装着し, かつ空気圧縮機等による送気, 又はボンベからの吸気を受け水中で行う潜水業務に大別されるが, 後者には潜水器やボンベを用いずに潜水作業を行う素潜り業務も含まれる.
ISSN:1341-0725
1349-533X
DOI:10.1539/sangyoeisei.17-034-W