胸腔鏡下手術を施行し診断した肺結核症例の臨床的検討(第25回日本気管支学会総会)

【目的】胸腔鏡下手術による診断未確定病変に対する肺生検が比較的多く行われるようになった. 腫瘍性病変として結核腫は肺癌との鑑別が重要でありその診断には難渋することがある. 今回我々は確定診断が得られず腔鏡下手術を施行した肺結核症例について検討した. 【対象および方法】1992年から2001年12月までに国立療養所沖縄病院外科で施行した胸腔鏡下手術は1100例である. その中で画像上およびその他の所見から確定診断が得られずに胸腔鏡下手術が施行され病理組織学的に肺結核と診断された50例を対象とした. 【結果】年齢は29歳から79歳, 平均56.9歳. 性別では男性30例, 女性20例と男性に多かっ...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 24; no. 3; p. 191
Main Authors 久場, 睦夫, 仲本, 敦, 河崎, 英範, 国吉, 真行, 大田, 守雄, 大湾, 勤子, 石川, 清司, 宮城, 茂, 川畑, 勉, 平安, 恒男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2002
日本気管支学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.24.3_191_4

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Summary:【目的】胸腔鏡下手術による診断未確定病変に対する肺生検が比較的多く行われるようになった. 腫瘍性病変として結核腫は肺癌との鑑別が重要でありその診断には難渋することがある. 今回我々は確定診断が得られず腔鏡下手術を施行した肺結核症例について検討した. 【対象および方法】1992年から2001年12月までに国立療養所沖縄病院外科で施行した胸腔鏡下手術は1100例である. その中で画像上およびその他の所見から確定診断が得られずに胸腔鏡下手術が施行され病理組織学的に肺結核と診断された50例を対象とした. 【結果】年齢は29歳から79歳, 平均56.9歳. 性別では男性30例, 女性20例と男性に多かった. 発見動機は検診, 人間ドックが41例, 他疾患治療中7例, 咳嗽1例, 結核治療後1例. 腫瘍の局在は右上葉20例, 右中葉3例, 右下葉11例, 左上葉11例, 左下葉5例で両側の上葉に多い傾向が認められた. 腫瘤の最大径は6mmから30mm, 平均16.1mm. 術式は部分切除47例, 肺葉切除3例. 術前にTBLBで扁平上皮癌と診断された1例, 病変部が肺門部に近く部分切除が不可能であった1例, 結核腫と肺癌の合併が認められた1例では胸腔鏡下肺葉切除術を施行した. 術後治療は内科で行いINH, RFP, EBの3剤の内服とした. 【結語】1. 肺結核50例について臨床的検討を行った. 2. 胸腔鏡下生検は腫瘍との鑑別に際し有用な手段であった.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.24.3_191_4