長期間介在した気管支異物の 2 症例と, 本邦症例の検討

長期介在気管支異物の2症例を報告する。症例1は36歳男性で咳嗽, 喀痰を主訴に近医を受診したところ, 胸部X線写真で右主気管支に異物を指摘され当科を紹介された。気管支鏡検査で右主気管支から中間幹入口部に異物を認めた。把持鉗子で摘出したところ, 異物は患者が2年前就寝中に誤嚥した歯科ブリッジであった。症例2は56歳男性で主訴は咳嗽, 喀痰, 血痰。10年前食道癌手術を受け, 術後6年目より主訴が出現し, 左下葉に陰影が出現してきた。術後8年目にガーゼの小片を喀出し, 3回目の気管支鏡検査時に左B^ に多量の膿性痰とともに異物を認めた。異物は手術に用いられたガーゼであった。ガーゼが気管支異物になっ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in気管支学 Vol. 15; no. 7; pp. 682 - 689
Main Authors 西條, 亜利子, 和穎, 房代, 北村, 諭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1993
日本気管支学会
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:長期介在気管支異物の2症例を報告する。症例1は36歳男性で咳嗽, 喀痰を主訴に近医を受診したところ, 胸部X線写真で右主気管支に異物を指摘され当科を紹介された。気管支鏡検査で右主気管支から中間幹入口部に異物を認めた。把持鉗子で摘出したところ, 異物は患者が2年前就寝中に誤嚥した歯科ブリッジであった。症例2は56歳男性で主訴は咳嗽, 喀痰, 血痰。10年前食道癌手術を受け, 術後6年目より主訴が出現し, 左下葉に陰影が出現してきた。術後8年目にガーゼの小片を喀出し, 3回目の気管支鏡検査時に左B^ に多量の膿性痰とともに異物を認めた。異物は手術に用いられたガーゼであった。ガーゼが気管支異物になった経路を推測するとともに, 本邦における1年以上の長期間介在気管支異物68症例について文献的考察を加えた。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.15.7_682