外傷後気管狭窄症に対して気管管状切除を施行した 2 例
慢性期に発生した外傷性気管狭窄2例に対し, 気管管状切除再建術を施行し良好な経過を得たので報告する。1例は20歳の女性で, 交通事故のため脳挫傷, 頸椎を損傷した。気切後, 約2ヵ月間の人工呼吸管理の後, 自発呼吸が可能となり, 気切孔が閉鎖すると共に呼吸困難となり, 再度気管切開の後にTチューブを挿入され管理されていたが, 縦隔内気管狭窄のため来院した。2例目は64歳の男性で交通事故のため, 頸椎を損傷し約1ヵ月間, 気管切開の後人工呼吸管理されていた。本例は約2ヵ月後に気管切開孔が閉鎖すると共に, 同部の狭窄により呼吸困難となり, 来院した。2例とも握力が無く, 自立歩行, 自力摂取不能で...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 21; no. 2; pp. 102 - 107 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
1999
日本気管支学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.21.2_102 |
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Summary: | 慢性期に発生した外傷性気管狭窄2例に対し, 気管管状切除再建術を施行し良好な経過を得たので報告する。1例は20歳の女性で, 交通事故のため脳挫傷, 頸椎を損傷した。気切後, 約2ヵ月間の人工呼吸管理の後, 自発呼吸が可能となり, 気切孔が閉鎖すると共に呼吸困難となり, 再度気管切開の後にTチューブを挿入され管理されていたが, 縦隔内気管狭窄のため来院した。2例目は64歳の男性で交通事故のため, 頸椎を損傷し約1ヵ月間, 気管切開の後人工呼吸管理されていた。本例は約2ヵ月後に気管切開孔が閉鎖すると共に, 同部の狭窄により呼吸困難となり, 来院した。2例とも握力が無く, 自立歩行, 自力摂取不能であったが, 手術を施行した。1例目にはレーザー治療を数回試みたが無効であった。手術後2例共に呼吸困難が解消され, 術後の気管支鏡検査でも吻合部狭窄等は見られなかった。考案・結語 : 外傷後気管狭窄症例に対する治療として, ステント, レーザー治療等が考えられるが, 外傷後気管狭窄例の場合, 狭窄部では気管軟骨が消失し, 肉芽による肥厚が高度であることより, 可能であるなら気管管状切除再建術が合併症が少なく有効であると思われた。 |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.21.2_102 |