気管支喘息患者に対する気管支鏡検査の安全性について

軽症から中等症の気管支喘息患者13例に, 入院で気管支鏡検査を施行した。検査前後で胸部聴診, 呼吸機能検査とSaO_2の測定を行った。PEFRとFEV_<1.0%>は, 検査終了6時間後や翌朝も含めて, 気管支鏡検査によると思われる低下は認められなかった。SaO_2は検査中に一過性に85.8±7.0%まで低下したが, 酸素投与により直ちに90%以上に改善し, 検査は問題なく継続できた。この低下はミダゾラムによるものと考えられ, 気管支鏡検査によるSaO_2の低下は検査後には認められなかった。今回の検討では, 気管支鏡検査は気管支喘息患者にも気道閉塞の悪化や喘息発作を引き起こすことな...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 21; no. 1; pp. 5 - 10
Main Authors 柴, 久美子, 鹿間, 裕介, 足立, 満, 小倉, 敬一, 笠原, 慶太, 堀地, 直也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1999
日本気管支学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.21.1_5

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Summary:軽症から中等症の気管支喘息患者13例に, 入院で気管支鏡検査を施行した。検査前後で胸部聴診, 呼吸機能検査とSaO_2の測定を行った。PEFRとFEV_<1.0%>は, 検査終了6時間後や翌朝も含めて, 気管支鏡検査によると思われる低下は認められなかった。SaO_2は検査中に一過性に85.8±7.0%まで低下したが, 酸素投与により直ちに90%以上に改善し, 検査は問題なく継続できた。この低下はミダゾラムによるものと考えられ, 気管支鏡検査によるSaO_2の低下は検査後には認められなかった。今回の検討では, 気管支鏡検査は気管支喘息患者にも気道閉塞の悪化や喘息発作を引き起こすことなく施行できた。検査対象患者や検査法を選べば, 喘息患者の気管支鏡は外来でも安全に行うことができると考えられた。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.21.1_5