染色体異常が証明された肺原発Mucosa-associated Lymphoid Tissue(MALT)悪性リンパ腫の1例

症例は34歳男性で, 検診にて胸部X線写真上異常陰影を指摘され, 精査のため入院した。自覚症状はなかった。胸部X線写真で右中, 下肺野に腫瘤影がみられ, 胸部CTでは右S^<3, 4, 5, 8>にair-space consolidation, 小葉間隔壁の肥厚がみられ, 左S^<8, 9>の胸膜下に1cm前後の結節性病変がみられた。TBLBで肺原発MALT悪性リンパ腫が疑われ, 確定診断の目的で左胸膜下の結節性病変に対して胸腔鏡下肺生検を施行した。病理組織の染色体分析で第11bandのq21と第18bandのq21の相互転座が証明され, 肺原発MALTリンパ腫と診断...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in気管支学 Vol. 23; no. 7; pp. 595 - 599
Main Authors 小栗, 晋, 池田, 雄史, 中谷, 光一, 佐藤, 敦夫, 倉澤, 卓也, 藤田, 美奈子, 桂, 敦司, 朝倉, 庄志, 游, 逸明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2001
日本気管支学会
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:症例は34歳男性で, 検診にて胸部X線写真上異常陰影を指摘され, 精査のため入院した。自覚症状はなかった。胸部X線写真で右中, 下肺野に腫瘤影がみられ, 胸部CTでは右S^<3, 4, 5, 8>にair-space consolidation, 小葉間隔壁の肥厚がみられ, 左S^<8, 9>の胸膜下に1cm前後の結節性病変がみられた。TBLBで肺原発MALT悪性リンパ腫が疑われ, 確定診断の目的で左胸膜下の結節性病変に対して胸腔鏡下肺生検を施行した。病理組織の染色体分析で第11bandのq21と第18bandのq21の相互転座が証明され, 肺原発MALTリンパ腫と診断した。1年の経過で腫瘍の増大が見られ, VP-16の内服治療が開始された。
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.23.7_595