気管支鏡検査時の局所麻酔における 1% リドカイン液と 2% リドカイン液との比較
気管支鏡検査に際してその円滑さを損なうことなく, 局所麻酔薬リドカインの使用量とリドカイン使用により患者に生じる不快感を減ずる目的で, 1%リドカイン液の使用を検討した。気管支鏡検査を施行される19例を無作為に1%リドカイン液使用群と2%リドカイン液使用群の二群に分け, リドカイン使用量, 血中リドカイン濃度, 動脈血酸素飽和度の測定ならびに患者へのアンケート調査を行った。リドカイン使用量は1%リドカイン液使用群で有意(P<0.01)に減少した。気管支鏡検査中の動脈血酸素飽和度の有意な低下は, 1%リドカイン液使用群でも認められなかった。アンケート調査の結果, 1%リドカイン液使用群は2...
Saved in:
Published in | 気管支学 Vol. 16; no. 7; pp. 601 - 606 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
1994
日本気管支学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 気管支鏡検査に際してその円滑さを損なうことなく, 局所麻酔薬リドカインの使用量とリドカイン使用により患者に生じる不快感を減ずる目的で, 1%リドカイン液の使用を検討した。気管支鏡検査を施行される19例を無作為に1%リドカイン液使用群と2%リドカイン液使用群の二群に分け, リドカイン使用量, 血中リドカイン濃度, 動脈血酸素飽和度の測定ならびに患者へのアンケート調査を行った。リドカイン使用量は1%リドカイン液使用群で有意(P<0.01)に減少した。気管支鏡検査中の動脈血酸素飽和度の有意な低下は, 1%リドカイン液使用群でも認められなかった。アンケート調査の結果, 1%リドカイン液使用群は2%液使用群に比べて検査中の苦痛の増強はなく, 噴霧麻酔時の吐き気およびにがみは減少傾向を示していた。以上の成績から1%リドカイン液は気管支鏡検査の局所麻酔として十分に使用可能と考えられた。 |
---|---|
ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.16.7_601 |