経気管支鏡的に切除した気管支内軟骨腫の 1 例

症例は70歳男性. 胸部X線写真上の右肺上葉異常陰影の精査のため気管支鏡検査を施行した際, 偶然に左B^5 入口部にポリープ状, 結節状の腫瘤が観察された. 腫瘤を高周波スネアを用いて経気管支鏡的に切除し, 病理組織学的検査で軟骨腫の診断を得た. 気管支壁に若干の腫瘍組織が残った部分切除であったが, 良性腫瘍のため手術を含めた治療は施行せず定期的に経過観察を行っているが腫瘍の増大は認めていない. 気管支内良性腫瘍の報告例は少なく, その中でも軟骨腫は非常に稀である. さらに, その多くが手術的に摘出されている. 今回, 他の疾患を検索中偶然に発見され経気管支的に高周波スネアを用いて切除し, 気...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 15; no. 6; pp. 566 - 570
Main Authors 山本, 淳, 大石, 光雄, 長坂, 行雄, 西村, 直巳, 茆原, 順一, 中島, 重徳, 久保, 裕一, 波津, 龍平, 杉原, 錬三, 瀬口, 光代, 田中, 明, 浦上, 理恵, 東田, 有智
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1993
日本気管支学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.15.6_566

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Summary:症例は70歳男性. 胸部X線写真上の右肺上葉異常陰影の精査のため気管支鏡検査を施行した際, 偶然に左B^5 入口部にポリープ状, 結節状の腫瘤が観察された. 腫瘤を高周波スネアを用いて経気管支鏡的に切除し, 病理組織学的検査で軟骨腫の診断を得た. 気管支壁に若干の腫瘍組織が残った部分切除であったが, 良性腫瘍のため手術を含めた治療は施行せず定期的に経過観察を行っているが腫瘍の増大は認めていない. 気管支内良性腫瘍の報告例は少なく, その中でも軟骨腫は非常に稀である. さらに, その多くが手術的に摘出されている. 今回, 他の疾患を検索中偶然に発見され経気管支的に高周波スネアを用いて切除し, 気管支内軟骨腫と診断された一例を経験し, さらに他の治療を施行せず定期的に経過観察を行い, 残存部位からの腫瘍の再発育をみずに経過している症例を報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.15.6_566