Cyclophorometer
「Introduction 後関利明 北里大学医学部眼科」 交通事故後に眼位ずれがないのに複視を訴える患者に遭遇することがある. このような患者の中に表面上の眼位ずれはないが, 精査をしていくと回旋異常が発覚することがある. この病態は両側の滑車神経が左右同程度で障害された状態で発症し, 回旋異常のみ呈する斜視となる. 表面上わからないため, その発見が遅れることもある. また, 原因が交通事故であるため, 時として金銭目的の詐病や, 外傷後の心因性障害と判断されている患者も存在する. 外傷性両眼性上斜筋麻痺の自験例8例のまとめでは垂直偏位は平均4.0prism diopter(Δ)と片眼性上...
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Published in | Neuro-Ophthalmology Japan Vol. 35; no. 1; pp. 97 - 103 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経眼科学会
2018
The Japanese Neuro-Ophthalmology Society |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0289-7024 2188-2002 |
DOI | 10.11476/shinkeiganka.35.97 |
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Summary: | 「Introduction 後関利明 北里大学医学部眼科」 交通事故後に眼位ずれがないのに複視を訴える患者に遭遇することがある. このような患者の中に表面上の眼位ずれはないが, 精査をしていくと回旋異常が発覚することがある. この病態は両側の滑車神経が左右同程度で障害された状態で発症し, 回旋異常のみ呈する斜視となる. 表面上わからないため, その発見が遅れることもある. また, 原因が交通事故であるため, 時として金銭目的の詐病や, 外傷後の心因性障害と判断されている患者も存在する. 外傷性両眼性上斜筋麻痺の自験例8例のまとめでは垂直偏位は平均4.0prism diopter(Δ)と片眼性上斜筋麻痺(垂直偏位平均15.1Δ)と比較し大きくなく, 外方回旋偏位は平均14.9度と大きかった. このことからも, 診断に重要なのは大きな回旋偏位だということが分かる. 回旋偏位の測定は, 自覚的には大型弱視鏡, Maddox double rod test(MDR)が, 他覚的には眼底写真が一般的であるがどの検査方法も一長一短である. |
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ISSN: | 0289-7024 2188-2002 |
DOI: | 10.11476/shinkeiganka.35.97 |