「障害の社会モデル」の視座から捉えたICFの課題と作業療法における社会参加の支援についての一考察

本研究は,ICFの課題について障害の社会モデルの視点から整理し,作業療法との関連性や社会参加の支援について考察することを目的とした.方法は,文献からデータを抽出し,質的内容分析にてカテゴリー化を行った.結果,【医学モデルに依拠した障害観】【社会変容の視点が希薄】【内的経験から生じる参加制約の視点が希薄】の3つのカテゴリーが挙げられた.ICFは障害の発生要因がインペアメントに依拠しており,社会からの否定性が活動・参加の制約になる点を表しにくいことが明らかになった.社会参加を支援する作業療法では,障害のある人を肯定的に捉える働きかけや住みやすい社会づくりへの貢献が重要であると考えられた....

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Published in作業療法の実践と科学 Vol. 4; no. 1; pp. 7 - 15
Main Authors 池田, 保, 田島, 明子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 北海道作業療法士会 2022
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ISSN2434-5806
2433-8451
DOI10.32151/psot.4.1_7

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Summary:本研究は,ICFの課題について障害の社会モデルの視点から整理し,作業療法との関連性や社会参加の支援について考察することを目的とした.方法は,文献からデータを抽出し,質的内容分析にてカテゴリー化を行った.結果,【医学モデルに依拠した障害観】【社会変容の視点が希薄】【内的経験から生じる参加制約の視点が希薄】の3つのカテゴリーが挙げられた.ICFは障害の発生要因がインペアメントに依拠しており,社会からの否定性が活動・参加の制約になる点を表しにくいことが明らかになった.社会参加を支援する作業療法では,障害のある人を肯定的に捉える働きかけや住みやすい社会づくりへの貢献が重要であると考えられた.
ISSN:2434-5806
2433-8451
DOI:10.32151/psot.4.1_7