肺高血圧症を増悪させるカルシウムブロッカーの分子機構
「1. はじめに」肺高血圧症(pulmonary hypertension)において, 最も典型的な臨床像を示す肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension;PAH)の特徴は, 肺血管の攣縮とリモデリングである. これらの病態は, 細胞質内Ca2+濃度([Ca2+]cyt)の持続的な上昇によって形成される. 肺動脈平滑筋細胞のCa2+動員を担い, PAHの病態形成に関与する新規Ca2+シグナル分子として, われわれはCa2+感受性受容体(Ca2+-sensing receptor;CaSR)を同定した. PAHの約半数を占める特発性肺動脈性肺高血圧症(id...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 136; no. 10; pp. 1373 - 1377 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.10.2016
日本薬学会 |
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Summary: | 「1. はじめに」肺高血圧症(pulmonary hypertension)において, 最も典型的な臨床像を示す肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension;PAH)の特徴は, 肺血管の攣縮とリモデリングである. これらの病態は, 細胞質内Ca2+濃度([Ca2+]cyt)の持続的な上昇によって形成される. 肺動脈平滑筋細胞のCa2+動員を担い, PAHの病態形成に関与する新規Ca2+シグナル分子として, われわれはCa2+感受性受容体(Ca2+-sensing receptor;CaSR)を同定した. PAHの約半数を占める特発性肺動脈性肺高血圧症(idiopathic PAH;IPAH)患者由来の肺動脈平滑筋細胞において, CaSRの発現増加及び機能亢進が認められた. そのため, CaSRがPAHの病態メカニズムの解明や新規治療薬の開発につながることが期待されている. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.16-00086 |