大腿骨ステム周囲骨折後のLCP折損例に対してデルタ-LOCK stemを用いた1例

大腿骨ステム周囲骨折後のLCP curved broad plate(以下LCP)折損例に対してデルタ-LOCK stemを用いた1例を経験したので報告する.症例は80歳女性,71歳時右人工股関節全置換術(以下THA),revision THAの既往あり.自宅で転倒し右大腿骨ステム周囲骨折Vancouver分類type Cを受傷.LCPとcable wire systemを併用して観血的整復固定術を施行.術後12週目に歩行練習中に誘因なく右下肢に脱力感が出現し,LCP折損を認めた.デルタ-LOCK stemを用いてrerevision THAを施行した.本症例は高齢者の元々の骨脆弱性に加え,セ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 60; no. 3; pp. 575 - 579
Main Authors 村田, 雅和, 田浦, 智之, 島内, 誠一郎, 塚本, 正紹, 森口, 昇, 橋本, 哲, 古市, 格
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2011
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.60.575

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Summary:大腿骨ステム周囲骨折後のLCP curved broad plate(以下LCP)折損例に対してデルタ-LOCK stemを用いた1例を経験したので報告する.症例は80歳女性,71歳時右人工股関節全置換術(以下THA),revision THAの既往あり.自宅で転倒し右大腿骨ステム周囲骨折Vancouver分類type Cを受傷.LCPとcable wire systemを併用して観血的整復固定術を施行.術後12週目に歩行練習中に誘因なく右下肢に脱力感が出現し,LCP折損を認めた.デルタ-LOCK stemを用いてrerevision THAを施行した.本症例は高齢者の元々の骨脆弱性に加え,セメント周囲の骨折,横骨折であり,骨癒合が得づらい条件であった.また,遷延癒合を認める状態での荷重や骨折部の僅かなギャップがLCPの疲労折損の原因になったと推測される.このように骨癒合が得づらい症例ではplate折損等の合併症を含めたインフォームドコンセントが必要であると考える.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.60.575