人工膝関節置換術前後の静脈血栓症スクリーニングにおけるD-dimer値測定の有用性
【目的】TKAにおける術前・術後のVTE一次スクリーニングとしてD-dimer値測定の有用性を検討することである.【対象と方法】対象は,TKA症例のうち,術前と術後7日目にMDCTを用いてVTEを評価した,連続するOA膝128膝である.VTEの有無(VTE群とN群)とD-dimer値(術前,術後3,7日目)より,術前・術後の検査特性を評価した.なお,予防的抗凝固療法を行った29膝は術後検索から除外した.【結果】術前検索では,VTE群13膝(10%)とN群115膝との間でD-dimer値には差はみられなかった.術後検索では,VTE群は23膝(24%)となり,D-dimer値は術後3,7日目ともに...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 60; no. 3; pp. 552 - 556 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2011
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.60.552 |
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Summary: | 【目的】TKAにおける術前・術後のVTE一次スクリーニングとしてD-dimer値測定の有用性を検討することである.【対象と方法】対象は,TKA症例のうち,術前と術後7日目にMDCTを用いてVTEを評価した,連続するOA膝128膝である.VTEの有無(VTE群とN群)とD-dimer値(術前,術後3,7日目)より,術前・術後の検査特性を評価した.なお,予防的抗凝固療法を行った29膝は術後検索から除外した.【結果】術前検索では,VTE群13膝(10%)とN群115膝との間でD-dimer値には差はみられなかった.術後検索では,VTE群は23膝(24%)となり,D-dimer値は術後3,7日目ともにVTE群が有意に高かった.術後のcut off値を10μg/mlとすると,感度は高いが特異度は低くなった.【結論】D-dimer値測定の有用性は術前検索では低く,また,術後検索では施設毎のcut off値の設定が必要であるものと考えられた. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.60.552 |