神戸市薬剤師会所属薬剤師への災害救援活動に関する意識調査

• Published in: YAKUGAKU ZASSHI Vol. 136; no. 10; pp. 1415 - 1425
• Main Authors: 安原, 智久, 近藤, 宏紀, 永田, 実沙, 岩田, 加奈, 串畑, 太郎, 桂木, 聡子, 池内, 淳子, 曽根, 知道
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益社団法人 日本薬学会 01.10.2016; 日本薬学会
• Subjects: cluster analysis; community pharmacist; disaster relief; factor analysis; questionnaire survey
• ISSN: 0031-6903; 1347-5231
• DOI: 10.1248/yakushi.16-00082

「はじめに」保険調剤薬局及びドラッグストアにて地域医療・保険・福祉に従事する薬剤師(以下, 薬局薬剤師)による大規模災害時における医療・生活支援が被災者と他の医療従事者双方に対して有益であることが, 2011年の東日本大震災での多くの薬局薬剤師の活動により示された. また, 2016年に発生した熊本地震においては, 東日本大震災の経験を活かして, 薬局薬剤師による迅速な医療・生活支援が展開された. わが国において薬局薬剤師による災害時の医療支援が定着をしてきたと言える. これらの事例が示す通り, 災害時の健康・公衆衛生管理は重要であり, 薬局薬剤師の果たす役割が大きいことは明らかである. 災害対策のマニュアルは整備されつつあるが, 現状の薬局薬剤師の災害支援は使命感・責任感に支えられた有志的な活動による部分が大きく, 薬局薬剤師全体を災害時の医療リソースとしてどのように提供するかという制度の確立には至っていない.