保険薬局を対象とした生活習慣病予防に関する遺伝子検査セミナーの実施と評価 —薬局-大学間連携の必要性

「緒言」 最近の分子標的薬等による薬物療法の目覚ましい進歩により, 個別化医療のためのゲノム薬理学的な薬剤師職能の更なる充実が求められている. そのための取り組みの最初の一歩として, われわれは広島大学薬学部学生を対象に生活習慣病関連遺伝子検査セミナーを実施した. 今後, 薬剤師さらには一般市民へと対象を段階的に拡大した遺伝子検査セミナーを計画しているが, その足掛かりとして広島市内のある薬局の薬剤師及び職員を対象にセミナーを行った. 本セミナーでは, 健常な対象者が興味を持つ肥満関連遺伝子とアルコール代謝関連遺伝子に対するdirect to consumers(DTC)遺伝学的検査に焦点を当...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 137; no. 12; pp. 1517 - 1531
Main Authors 池田, 佳代, 春日, 真由, 細井, 徹, 吉井, 美智子, 杉山, 政則, 若生, あき, 小澤, 光一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 2017
日本薬学会
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Summary:「緒言」 最近の分子標的薬等による薬物療法の目覚ましい進歩により, 個別化医療のためのゲノム薬理学的な薬剤師職能の更なる充実が求められている. そのための取り組みの最初の一歩として, われわれは広島大学薬学部学生を対象に生活習慣病関連遺伝子検査セミナーを実施した. 今後, 薬剤師さらには一般市民へと対象を段階的に拡大した遺伝子検査セミナーを計画しているが, その足掛かりとして広島市内のある薬局の薬剤師及び職員を対象にセミナーを行った. 本セミナーでは, 健常な対象者が興味を持つ肥満関連遺伝子とアルコール代謝関連遺伝子に対するdirect to consumers(DTC)遺伝学的検査に焦点を当てた. DTC遺伝学的検査は, 通常検査事業者と消費者間で直接実施される. わが国では1990年代後半に肥満遺伝子検査とDNA血縁鑑定検査を主としたDTC遺伝学的検査が始まったが, 易罹患性検査が多く, その科学的な正当性・信頼性はいまだ議論の余地が残っている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.16-00243