薬理学教育に対する解剖生理学領域における低習熟度学生対象教育の効果

「緒言」薬学部における履修科目は, 各科目の関係性を考慮した"積み重ね"を意識した年次配当がなされている. 例えば, 薬理学は, 解剖学及び生理学に代表されるヒトの体を理解していなければ, 修学が困難な科目である. このため, 薬理学教育を実施する前段階として, これら基礎科目を修学していることが前提となっている. また, 薬学部において低学年における定期試験結果が, 卒業時の成績に相関することが報告されている. さらに, 東京理科大学総合教育機構教育開発センターによる平成26年度活動報告書によれば, 複数年に渡る4000人規模の追跡調査でも入学時の成績と卒業時の成績に相関...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 136; no. 12; pp. 1651 - 1656
Main Authors 河井, 伸之, 籠田, 智美, 安井, 菜穂美, 北山, 友也, 西村, 奏咲, 篠塚, 和正, 吉川, 紀子, 中林, 利克, 三浦, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.12.2016
日本薬学会
Subjects
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.16-00189

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Summary:「緒言」薬学部における履修科目は, 各科目の関係性を考慮した"積み重ね"を意識した年次配当がなされている. 例えば, 薬理学は, 解剖学及び生理学に代表されるヒトの体を理解していなければ, 修学が困難な科目である. このため, 薬理学教育を実施する前段階として, これら基礎科目を修学していることが前提となっている. また, 薬学部において低学年における定期試験結果が, 卒業時の成績に相関することが報告されている. さらに, 東京理科大学総合教育機構教育開発センターによる平成26年度活動報告書によれば, 複数年に渡る4000人規模の追跡調査でも入学時の成績と卒業時の成績に相関が認められず, 1年終了時の成績と卒業時の成績に相関が認められることが示されている. したがって, 薬学部に限らず理系学部における低学年教育の重要性が示唆される. 武庫川女子大学では, 従来すべての学生に対して同じ内容の講義を行ってきたが, 2014年度より学生の習熟度に応じた「同一到達科目目標を持つ習熟度別授業」を開講するために, 薬学教育推進センターを開設した.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.16-00189