百貨店での食事バランスガイドの啓発活動と認知の実態
【目的】平成19年度から福岡市健康づくりセンターでは,食事バランスガイドに基づいたコンピュータソフトを活用して食育活動を行ってきたが,来所者にしか対応していなかった。そこで,百貨店の催事にこのコンピュータを設置したコーナーを併設し,より多くの市民を対象に食事バランスガイドの啓発活動を行うために栄養士が中心となって本事業を行った。 【方法】2009年1月に,百貨店の催事で,簡易的な食事診断により1食分の献立を聞きとり,それに対して栄養士が個別に指導を行った。また,同時に栄養士業務の認知度等についてもアンケート調査を実施した。 【結果】コーナーの参加者は278人,本調査の対象者は262人であった。...
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Published in | 栄養学雑誌 Vol. 69; no. 6; pp. 335 - 342 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
2011
日本栄養改善学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-5147 1883-7921 |
DOI | 10.5264/eiyogakuzashi.69.335 |
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Summary: | 【目的】平成19年度から福岡市健康づくりセンターでは,食事バランスガイドに基づいたコンピュータソフトを活用して食育活動を行ってきたが,来所者にしか対応していなかった。そこで,百貨店の催事にこのコンピュータを設置したコーナーを併設し,より多くの市民を対象に食事バランスガイドの啓発活動を行うために栄養士が中心となって本事業を行った。 【方法】2009年1月に,百貨店の催事で,簡易的な食事診断により1食分の献立を聞きとり,それに対して栄養士が個別に指導を行った。また,同時に栄養士業務の認知度等についてもアンケート調査を実施した。 【結果】コーナーの参加者は278人,本調査の対象者は262人であった。食事バランスガイドの認知度は,内容認知21.8%,イラスト・名前認知44.1%および非認知34.0%であった。適量の1食分を選択した者は,認知群で18.0%,およびイラスト・名前認知群で19.0%と,非認知群の12.2%より高かったものの,食事内容に食事バランスガイドを生かせていない者が認知群でも82.0%であった。非認知群では,誤解しやすい食情報を肯定的に認識している者が多かった。 【結論】他調査や施設へ来場する市民と比べ,百貨店内の対象者の認知度は低く,栄養士が外へ出向き市民を積極的に募り情報を広く発信した啓発は必要であることが示唆された。また,今回のような他業種と連携した啓発事業は栄養士の業務について市民に正しく知ってもらうためにも重要である。 |
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ISSN: | 0021-5147 1883-7921 |
DOI: | 10.5264/eiyogakuzashi.69.335 |