女性スポーツ選手による月経及び月経随伴症に対する認知的評価

「問題の所在」近年, 国内女性スポーツ選手(以下, 女性選手)の活躍が目覚ましい. 例えば女子サッカー日本代表チームのワールドカップ優勝(2011年)や, 夏季オリンピックでのメダル獲得数が男性選手を上回る傾向にある(文部科学省, 2010, 2011; 読売新聞運動部, 2013)ことなどがあげられる. このような活躍をさらに後押するためには, 女性選手の特性に応じた指導やサポートが欠かせないと考えられる. このような中, 従来から指摘される女性選手特有の問題の一つに月経異常がある. 例えば運動性無月経(Otis, 1992; 目崎, 1992; 福島ほか, 1996)は, スポーツをする女...

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Published inスポーツ心理学研究 Vol. 42; no. 1; pp. 23 - 34
Main Authors 今薗, 由望, 佐々木, 万丈, 渋倉, 崇行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本スポーツ心理学会 2015
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ISSN0388-7014
1883-6410
DOI10.4146/jjspopsy.2014-1411

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Summary:「問題の所在」近年, 国内女性スポーツ選手(以下, 女性選手)の活躍が目覚ましい. 例えば女子サッカー日本代表チームのワールドカップ優勝(2011年)や, 夏季オリンピックでのメダル獲得数が男性選手を上回る傾向にある(文部科学省, 2010, 2011; 読売新聞運動部, 2013)ことなどがあげられる. このような活躍をさらに後押するためには, 女性選手の特性に応じた指導やサポートが欠かせないと考えられる. このような中, 従来から指摘される女性選手特有の問題の一つに月経異常がある. 例えば運動性無月経(Otis, 1992; 目崎, 1992; 福島ほか, 1996)は, スポーツをする女性にみられる無月経であり, 激しい運動で黄体期が短縮し, 次第に無排卵となることで生じる(武谷, 2012). また無月経はエストロゲンの濃度低下に繋がり, 骨折や骨粗鬆症の原因となる(Warren and Chua, 2008; 難波, 2013; 能瀬ほか, 2014).
ISSN:0388-7014
1883-6410
DOI:10.4146/jjspopsy.2014-1411