ヒト塩基性線維芽細胞成長因子を用いた歯周病適用製剤の臨床使用を想定した他剤併用時の特性評価

「緒言」歯科において成長因子の組織再生能は注目されており, 臨床応用が期待されている1-3). 筆者らはこれまでに, ヒト塩基性線維芽細胞成長因子(遺伝子組換え)(recombinant human basic fibroblast growth factor; rhbFGF)等のタンパク質を用いた歯周病適用製剤に求められる製剤特性(粘稠性の付与)を明らかとし, 粘稠剤の選定条件(粘度, 流動性等)を見い出した4,5). また, rhbFGF等の成長因子については, これまでに様々な細胞実験, 動物実験が行われている6,7)が, 臨床での使用を想定した検討は行われていない. rhbFGFを用い...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 133; no. 1; pp. 125 - 131
Main Authors 佐藤, 康彦, 大場, 拓馬, 檀上, 和美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.01.2013
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.12-00187

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Summary:「緒言」歯科において成長因子の組織再生能は注目されており, 臨床応用が期待されている1-3). 筆者らはこれまでに, ヒト塩基性線維芽細胞成長因子(遺伝子組換え)(recombinant human basic fibroblast growth factor; rhbFGF)等のタンパク質を用いた歯周病適用製剤に求められる製剤特性(粘稠性の付与)を明らかとし, 粘稠剤の選定条件(粘度, 流動性等)を見い出した4,5). また, rhbFGF等の成長因子については, これまでに様々な細胞実験, 動物実験が行われている6,7)が, 臨床での使用を想定した検討は行われていない. rhbFGFを用いた歯周病治療は, 一般的な歯周病治療に用いられる局所適用の抗菌剤や手術時に用いる局所麻酔剤に加え, 組織再生の足場材として骨補てん剤との併用が考えられる. また, 含嗽薬や洗口液の使用も想定される. このように, 歯科領域では局所において様々な薬剤や医療用具が併用されるため, それらの配合性, 相互作用等を検討することは重要と考える.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.12-00187