涙液中薬物動態研究に向けたマイクロダイアリシス-キャピラリー液体クロマトグラフィー法の開発

「緒言」 緑内障は, わが国における中途失明の原因第一位の疾患であり, 40歳以上ではおよそ5%(20人に一人)が緑内障に罹患しているといわれている. これら緑内障の治療として, 唯一エビデンスがあるのが眼圧を降下させることであり, その主たる手段として点眼療法が行われている. 抗緑内障薬はプロスタグランジン関連薬, β遮断薬, α1遮断薬, αβ遮断薬, α2刺激薬, 炭酸脱水素酵素阻害薬, 副交感神経刺激薬, 交感神経刺激薬及びRhoキナーゼ(Rho-associated protein kinase; ROCK)阻害薬の大きく9系統に分類され, 単剤で十分な眼圧降下作用がみられない際には...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 138; no. 8; pp. 1111 - 1117
Main Authors 長井, 紀章, 上野, 祥奈, 石井, 美有, 福岡, 侑也, 大竹, 裕子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.08.2018
日本薬学会
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Summary:「緒言」 緑内障は, わが国における中途失明の原因第一位の疾患であり, 40歳以上ではおよそ5%(20人に一人)が緑内障に罹患しているといわれている. これら緑内障の治療として, 唯一エビデンスがあるのが眼圧を降下させることであり, その主たる手段として点眼療法が行われている. 抗緑内障薬はプロスタグランジン関連薬, β遮断薬, α1遮断薬, αβ遮断薬, α2刺激薬, 炭酸脱水素酵素阻害薬, 副交感神経刺激薬, 交感神経刺激薬及びRhoキナーゼ(Rho-associated protein kinase; ROCK)阻害薬の大きく9系統に分類され, 単剤で十分な眼圧降下作用がみられない際には, 眼圧降下機構の異なる2種以上の点眼薬による多剤投与が行われる. なかでもβ遮断薬チモロールマレイン酸塩(timolol maleate; TM)は, 多くの配合剤としても用いられる優れた抗緑内障薬である.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.18-00025