記憶障害マウスにおけるメマンチン誘発性めまいに対する抑肝散加陳皮半夏エキスの作用

「緒言」 現在, 急速な高齢化に伴い, 認知症患者数は増加の一途を辿っている. 日本においては, 65歳以上の高齢者数は2025年には約3600万人と人口の3割を超えると予想され, そのうち認知症患者数は約700万人と高齢者の5人に1人が認知症になると推測されている. 認知症の症状は, 記憶障害や言語障害といった「中核症状」と, 不安やうつ症状といった「行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia; BPSD)」の2つに大別される. これらの症状は, 患者本人はもちろんのこと, 周囲の人々の生活にまで影響をもたらすため, 認...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 141; no. 7; pp. 955 - 960
Main Authors 下山, 泰輝, 青木, やよい, 金田, 真理彩, 韓, 立坤, 道原, 成和, 高橋, 隆二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.07.2021
日本薬学会
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Summary:「緒言」 現在, 急速な高齢化に伴い, 認知症患者数は増加の一途を辿っている. 日本においては, 65歳以上の高齢者数は2025年には約3600万人と人口の3割を超えると予想され, そのうち認知症患者数は約700万人と高齢者の5人に1人が認知症になると推測されている. 認知症の症状は, 記憶障害や言語障害といった「中核症状」と, 不安やうつ症状といった「行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia; BPSD)」の2つに大別される. これらの症状は, 患者本人はもちろんのこと, 周囲の人々の生活にまで影響をもたらすため, 認知症は重篤な疾患であると言える. 認知症治療薬の1つであるメマンチン塩酸塩(Memantine; Mem)は2011年に中程度から重度の認知症症状の進行抑制を目的に厚生労働省より承認された.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.21-00003