調剤業務における安全性評価の試み -調剤ミス率,鑑査見逃率及び過誤発生率の関係の解析

「緒言」 処方箋調剤業務は, 処方箋受付, 処方監査, 疑義照会, 薬袋作成, 薬剤調製(錠剤, 散剤, 水剤, 外用剤), 最終鑑査, 投薬(払出)という流れで行われている. そして, 処方箋受付から薬剤調製までの工程(以下:調剤)と最終鑑査(以下:鑑査)は, できるだけ別々の薬剤師によって行われることが望ましいとされ, 一般的に調剤と鑑査は, 異なる薬剤師が担当する. これは, 調剤者のミスを鑑査者が発見すること, また, 鑑査者が少しでも疑問を持った場合にはかならず調剤者と確認し是正することで, 最終的に過誤発生を防ぐことが目的とされるためである. 処方箋調剤業務に関する安全性評価におい...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 137; no. 5; pp. 589 - 593
Main Authors 添田, 真司, 山田, 安彦, 渡邊, 昌之, 高柳, 理早
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 2017
日本薬学会
Subjects
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.16-00217

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Summary:「緒言」 処方箋調剤業務は, 処方箋受付, 処方監査, 疑義照会, 薬袋作成, 薬剤調製(錠剤, 散剤, 水剤, 外用剤), 最終鑑査, 投薬(払出)という流れで行われている. そして, 処方箋受付から薬剤調製までの工程(以下:調剤)と最終鑑査(以下:鑑査)は, できるだけ別々の薬剤師によって行われることが望ましいとされ, 一般的に調剤と鑑査は, 異なる薬剤師が担当する. これは, 調剤者のミスを鑑査者が発見すること, また, 鑑査者が少しでも疑問を持った場合にはかならず調剤者と確認し是正することで, 最終的に過誤発生を防ぐことが目的とされるためである. 処方箋調剤業務に関する安全性評価においては, 調剤ミス率や過誤発生率といった尺度が用いられ, 調剤ミス対策や過誤防止対策が議論されている. また, これらに鑑査ミスに関する尺度を加えることで, より適切に安全性を評価できると考えられるが, 実際にそれを測定することは難しく, 現在は用いられていない.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.16-00217