学校薬剤師を対象とした災害時避難所支援図上研修プログラムの実施と検証

• Published in: YAKUGAKU ZASSHI Vol. 140; no. 2; pp. 289 - 300
• Main Authors: 永田, 実沙, 田中, 映里, 落合, 千波, 串畑, 太郎, 安原, 智久, 曽根, 知道, 池内, 淳子
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益社団法人 日本薬学会 01.02.2020; 日本薬学会
• Subjects: cluster analysis; disaster medicine; factor analysis; questionnaire survey; school pharmacist; tabletop exercise
• ISSN: 0031-6903; 1347-5231
• DOI: 10.1248/yakushi.19-00139

「緒言」 大規模災害時において, 発災直後は救命救急対応が中心となるが, 発災数日後からは慢性疾患の悪化への対応や, 被災者が集まる避難所での感染症の予防・拡大防止や震災関連死を回避するための公衆衛生管理など, 避難所生活の長期化を見据えた対応が必要となってくる. これらの健康・公衆衛生管理を含む医療・生活支援は, 避難所を運営していくうえでライフラインや物資と同等に重要となってくるが, 医療系専門職は救護・救命を優先して支援を実施するほかなく, 衛生管理は避難所運営者に任されることが多い. しかし衛生管理が不十分であると感染症が蔓延するリスクの上昇や生活習慣病の悪化が懸念されるため, 衛生管理に適した専門的な管理や指導が必要となる. また, 避難所の運営において, 程度の差はあるが地域特性や地形的・構造的な特性が存在し, これらの特性に最適化した支援を行い, かつ衛生的な管理・指導を行うには, その地域を知っている医療系専門職が行うことが最良と考える.