低用量アスピリンによる消化管障害に関する医師への情報提供とその評価
「緒言」アスピリンは血小板のシクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase; COX)-1を非可逆的に阻害することにより, 血小板凝集に関与するトロンボキサン(TX)A2の生成を抑制し, 抗血小板作用を示す. しかし, 同時にアスピリンは消化管粘膜に存在するCOX-1も阻害し, 消化管粘膜防御因子であるプロスタグランジン(PG)E2の産生を抑制し, 消化管障害を誘発する. 1) そのため, 血栓性疾患において血栓形成の2次予防等に用いられているアスピリンは, 低用量にもかかわらず副作用として消化管障害が臨床上重要な問題となっている. 2) 出血を伴う消化管障害を発現した場合に, 一般的には...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 134; no. 4; pp. 545 - 553 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.04.2014
日本薬学会 |
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Summary: | 「緒言」アスピリンは血小板のシクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase; COX)-1を非可逆的に阻害することにより, 血小板凝集に関与するトロンボキサン(TX)A2の生成を抑制し, 抗血小板作用を示す. しかし, 同時にアスピリンは消化管粘膜に存在するCOX-1も阻害し, 消化管粘膜防御因子であるプロスタグランジン(PG)E2の産生を抑制し, 消化管障害を誘発する. 1) そのため, 血栓性疾患において血栓形成の2次予防等に用いられているアスピリンは, 低用量にもかかわらず副作用として消化管障害が臨床上重要な問題となっている. 2) 出血を伴う消化管障害を発現した場合に, 一般的には原因薬剤の中止が最も有効な手段となり, 他剤への変更においても, 出血リスクは回避できない. また, アスピリンの休薬により, 血管イベントの発症が約3倍増加することも報告されていることから, 3) 可能な限りアスピリンの服用を継続することで原疾患の予防及び治療につながると考えられる. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.13-00193 |