イグラチモドとワルファリンとの薬物相互作用に対する薬物動態学的及び薬力学的解析
「緒言」イグラチモド(iguratimod;IGU, 販売名:コルベット(R)/ケアラム(R))は富山化学工業株式会社にて創製され, エーザイ株式会社との共同開発により2012年6月に製造販売承認され, 2012年9月に発売された疾患修飾性抗リウマチ薬である. IGUは免疫グロブリン及び炎症性サイトカインに対する産生抑制作用を示し, 国内の臨床第III相試験においてメトトレキサートとの併用効果が検証された初めての低分子化合物である. 製造販売後, ワルファリン(warfarin;WF)との相互作用が疑われる出血又は血液凝固能検査値の異常変動(PT-INR増加)が報告され, 2013年5月にWF...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 136; no. 6; pp. 905 - 911 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.06.2016
日本薬学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0031-6903 1347-5231 |
DOI | 10.1248/yakushi.15-00261 |
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Summary: | 「緒言」イグラチモド(iguratimod;IGU, 販売名:コルベット(R)/ケアラム(R))は富山化学工業株式会社にて創製され, エーザイ株式会社との共同開発により2012年6月に製造販売承認され, 2012年9月に発売された疾患修飾性抗リウマチ薬である. IGUは免疫グロブリン及び炎症性サイトカインに対する産生抑制作用を示し, 国内の臨床第III相試験においてメトトレキサートとの併用効果が検証された初めての低分子化合物である. 製造販売後, ワルファリン(warfarin;WF)との相互作用が疑われる出血又は血液凝固能検査値の異常変動(PT-INR増加)が報告され, 2013年5月にWFとの併用が禁忌となった. 非臨床試験において, ラットに10mg/kg以上のIGU[臨床用量における平均最高血漿中濃度(Cmax)の10倍及び血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)の6倍を超える用量]とともにWF 0.3mg/kgを併用すると, WFの抗凝血作用が増強されることが確認されており, 市販開始時からWFとは併用注意とされていた. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.15-00261 |