東日本大震災被災地の災害廃棄物処理場における職場巡視報告
「I. はじめに」宮城労働局の労働災害発生状況に関する報告によると, 宮城県の平成23年の災害復旧関係での死傷者数は, 建設業を中心に198人(うち死亡5人)であった. 平成24年3月から5月にかけて稼働が始まった宮城県内の災害廃棄物処理場では, 粗選別作業中に, ビンの内容物(クレゾール, 農薬など)が漏洩し, 発生した臭気を嗅いだ作業員が体調不良を訴え緊急搬送された事例, 医療廃棄物とみられるがれきによる針刺し事故, がれきの破砕作業で釘を踏み抜く事故などが散発した. 宮城労働局では局長や地区の労働基準監督署長による安全パトロールや集中的監督指導を継続的に実施し, 状況の改善に努めてきた....
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Published in | 産業衛生学雑誌 Vol. 57; no. 2; pp. 37 - 39 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本産業衛生学会
2015
日本産業衛生学会 |
Subjects | |
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Summary: | 「I. はじめに」宮城労働局の労働災害発生状況に関する報告によると, 宮城県の平成23年の災害復旧関係での死傷者数は, 建設業を中心に198人(うち死亡5人)であった. 平成24年3月から5月にかけて稼働が始まった宮城県内の災害廃棄物処理場では, 粗選別作業中に, ビンの内容物(クレゾール, 農薬など)が漏洩し, 発生した臭気を嗅いだ作業員が体調不良を訴え緊急搬送された事例, 医療廃棄物とみられるがれきによる針刺し事故, がれきの破砕作業で釘を踏み抜く事故などが散発した. 宮城労働局では局長や地区の労働基準監督署長による安全パトロールや集中的監督指導を継続的に実施し, 状況の改善に努めてきた. 今回, 我々は, 平成25年7月の災害廃棄物処理場パトロール(2処理場)に同行した際の改善指摘事項と, 同年8月に労働衛生コンサルタントが実施した改善確認巡視の内容を今後の災害復旧業務における労災防止対策の参考となるように報告する. |
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ISSN: | 1341-0725 1349-533X |
DOI: | 10.1539/sangyoeisei.D14002 |