音楽と身体接触を活用した運動が心理状態と対人関係に及ぼす効果

「序」 近年, 健康増進のために運動実施への参加を促進する活動が活発に行われており, 運動の効果について多様な分野から研究がなされつつある(Biddle and Mutrie, 2008). 運動に関するこれまでの研究は, 生活習慣病の予防や体力向上などの生理的な効果の検討(田中・重松, 2002)を中心に, 不安・抑うつの低減や気分の改善などの心理的効果の検討(荒井ほか, 2002; 竹中ほか, 2002; Petruzzello et al., 1991)も行われてきた. これらの研究では, 運動実施の有無や実施時間・強度・頻度などの調節によって適切な運動の種類を提示し, 運動への参加率を...

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Published inスポーツ心理学研究 Vol. 41; no. 1; pp. 19 - 34
Main Authors 金, ウンビ, 伊東, 明宏, 中塚, 健太郎, 坂入, 洋右
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本スポーツ心理学会 2014
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Summary:「序」 近年, 健康増進のために運動実施への参加を促進する活動が活発に行われており, 運動の効果について多様な分野から研究がなされつつある(Biddle and Mutrie, 2008). 運動に関するこれまでの研究は, 生活習慣病の予防や体力向上などの生理的な効果の検討(田中・重松, 2002)を中心に, 不安・抑うつの低減や気分の改善などの心理的効果の検討(荒井ほか, 2002; 竹中ほか, 2002; Petruzzello et al., 1991)も行われてきた. これらの研究では, 運動実施の有無や実施時間・強度・頻度などの調節によって適切な運動の種類を提示し, 運動への参加率を高めることに焦点を当ててきた(厚生労働省, 2006; 財団法人健康・体力づくり事業財団, 2000). 運動後に気分の改善などの効果が得られれば運動行動の継続につながることが予想され(荒井, 2010), 健康日本21(2次)の対策では, 身体活動の継続のためには「楽しさ」を感じることが重要であると強調されている(厚生労働省, 2012).
ISSN:0388-7014
1883-6410
DOI:10.4146/jjspopsy.2013-1222