ゴアテックス® を用いた甲状軟骨形成術後の喉頭病理組織像

目的: ゴアテックスのヒト喉頭における親和性・安定性について評価すること. 方法: 声帯麻痺の患者にゴアテックスを用いて甲状軟骨形成術I型を行った. 折り重ねたゴアテックスは甲状軟骨開窓部から軟骨片, 内軟骨膜は保存し挿入した. 術後12カ月経過後の喉頭病理像を検討した. 結果: 挿入したゴアテックスの周囲には線維性皮膜の形成を伴うわずかな炎症反応を認めるのみであった. またゴアテックスの多孔構造内にはコラーゲンと無数の線維芽細胞の侵入を認めた. 結論: 病理学的にゴアテックス内部構造への線維芽細胞・線維組織の侵入が認められたことはヒト喉頭における安定性の高さおよび親和性の高さを示唆するものと...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 112; no. 8; pp. 623 - 627
Main Authors 宮原, 裕, 渡邊, 雄介, 笹井, 久徳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 2009
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.112.623

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Summary:目的: ゴアテックスのヒト喉頭における親和性・安定性について評価すること. 方法: 声帯麻痺の患者にゴアテックスを用いて甲状軟骨形成術I型を行った. 折り重ねたゴアテックスは甲状軟骨開窓部から軟骨片, 内軟骨膜は保存し挿入した. 術後12カ月経過後の喉頭病理像を検討した. 結果: 挿入したゴアテックスの周囲には線維性皮膜の形成を伴うわずかな炎症反応を認めるのみであった. またゴアテックスの多孔構造内にはコラーゲンと無数の線維芽細胞の侵入を認めた. 結論: 病理学的にゴアテックス内部構造への線維芽細胞・線維組織の侵入が認められたことはヒト喉頭における安定性の高さおよび親和性の高さを示唆するものと思われた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.112.623