スーパー食育スクール実施校の事業内容

【目的】2014・2015年度に文部科学省「スーパー食育スクール事業」の指定を受けた小・中・高等学校の食育の内容及び成果を分析し,学校における効果的な食育のあり方を考察する。 【方法】文部科学省のホームページに掲載された「スーパー食育スクール事業」報告書(63事業,69事例)を対象資料として,事業目標,実施学校における食育の実践内容,評価方法,成果について分析,集計を行った。 【結果】事業目標で多く取り上げられていたのは,心身の健康(46事例),健康づくり(35事例)であった。食育実践は,教科等の授業,給食指導,個別指導をはじめ多様な場面で実施され,指導者については栄養教諭(33事例)とゲスト...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 75; no. 6; pp. 164 - 173
Main Authors 五関-曽根, 正江, 金子, 佳代子, 髙田, 和子, 中岡, 加奈絵, 土方, 直美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 2017
日本栄養改善学会
Subjects
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ISSN0021-5147
1883-7921
DOI10.5264/eiyogakuzashi.75.164

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Summary:【目的】2014・2015年度に文部科学省「スーパー食育スクール事業」の指定を受けた小・中・高等学校の食育の内容及び成果を分析し,学校における効果的な食育のあり方を考察する。 【方法】文部科学省のホームページに掲載された「スーパー食育スクール事業」報告書(63事業,69事例)を対象資料として,事業目標,実施学校における食育の実践内容,評価方法,成果について分析,集計を行った。 【結果】事業目標で多く取り上げられていたのは,心身の健康(46事例),健康づくり(35事例)であった。食育実践は,教科等の授業,給食指導,個別指導をはじめ多様な場面で実施され,指導者については栄養教諭(33事例)とゲストティーチャー(32事例)が多くみられた。また,講義・講演会,農林漁業体験,調理実習のほか,保護者へも様々な情報発信が行われていた。食育の成果は,自己記入式調査(食生活,心身の健康状態など),生理的指標の測定(身体計測,体組成,骨量,血液検査など),身体活動量調査,体力測定などの方法により評価が行われ,食生活,生理的指標として肥満児童生徒出現率,体力・身体活動量などにおいて改善・向上がみられた。 【結論】学校における食育を効果的に推進するためには,児童生徒の実態に合わせて,教科等の授業,給食指導のみならず,多様な場面や指導方法を工夫し,学校全体で指導体制を整えていくこと,栄養教諭の専門性を生かしたコーディネート,家庭・地域へも働きかけることが重要であることが確認された。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.75.164