安全性から見た抗菌薬

今日, 多くの抗菌薬が, 感染症治療に用いられているが, それらは種々の副作用を有している. 抗菌薬の選択・投与法の設定においては, 個々の抗菌薬のbenefitとrisk(光と影)を理解しておく必要がある. ここでは, 抗菌薬の安全性からみた個別化(個々の薬剤における光と影)を検討したい. 「1. 抗菌薬の主な副作用」抗菌薬には, Table1に示すような副作用のあることが知られている. その副作用を発現様式からみると, 投与量(濃度)依存的なものと, 投与量(濃度)によらない(非依存的)なものとに大別することができよう. 抗菌薬副作用の発現様式・機序に関して, 多くは知られていない. 副作...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 131; no. 10; pp. 1423 - 1428
Main Author 堀, 誠治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.10.2011
日本薬学会
Online AccessGet full text
ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.131.1423

Cover

More Information
Summary:今日, 多くの抗菌薬が, 感染症治療に用いられているが, それらは種々の副作用を有している. 抗菌薬の選択・投与法の設定においては, 個々の抗菌薬のbenefitとrisk(光と影)を理解しておく必要がある. ここでは, 抗菌薬の安全性からみた個別化(個々の薬剤における光と影)を検討したい. 「1. 抗菌薬の主な副作用」抗菌薬には, Table1に示すような副作用のあることが知られている. その副作用を発現様式からみると, 投与量(濃度)依存的なものと, 投与量(濃度)によらない(非依存的)なものとに大別することができよう. 抗菌薬副作用の発現様式・機序に関して, 多くは知られていない. 副作用のうち, 現在その発現様式の知られている主なものは, Table2のようになろう. 1,2)抗菌薬副作用の発現様式を知ることは, PK-PDの考えに基づき高投与量・高暴露となる抗菌薬投与設定が行われている今日, 副作用防止の観点から重要な事項となる.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.131.1423