勤労者の食費と食事摂取状況との関連

【目的】勤労者を対象とし,食費に関わる指標として等価食費とエネルギーコストを用い,これらの指標と栄養素等摂取量,食品群別摂取量,調理形態別料理摂取頻度との関連を検討した。【方法】静岡県西部にある事業所の従業員3,083名に自記式質問調査票および食物摂取頻度調査票を配布し,2,382名から回答が得られた(回収率77.3%)。性・年齢および食物摂取頻度調査票が有効であった2,160名を解析対象とした。等価食費(円/月)とエネルギーコスト(円/1,000 kcal)を三分位で分け,栄養素等摂取量との関連を共分散分析,食品群別摂取量との関連をKruskal-Wallis検定,調理形態別料理摂取頻度との...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 78; no. 5; pp. 188 - 197
Main Authors 中村, 美詠子, 柴田, 陽介, 尾島, 俊之, 長幡, 友実, 三浦, 綾子, 上田, 規江, 岡田, 栄作
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 01.10.2020
日本栄養改善学会
Subjects
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ISSN0021-5147
1883-7921
DOI10.5264/eiyogakuzashi.78.188

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Summary:【目的】勤労者を対象とし,食費に関わる指標として等価食費とエネルギーコストを用い,これらの指標と栄養素等摂取量,食品群別摂取量,調理形態別料理摂取頻度との関連を検討した。【方法】静岡県西部にある事業所の従業員3,083名に自記式質問調査票および食物摂取頻度調査票を配布し,2,382名から回答が得られた(回収率77.3%)。性・年齢および食物摂取頻度調査票が有効であった2,160名を解析対象とした。等価食費(円/月)とエネルギーコスト(円/1,000 kcal)を三分位で分け,栄養素等摂取量との関連を共分散分析,食品群別摂取量との関連をKruskal-Wallis検定,調理形態別料理摂取頻度との関連をχ2 検定を用いて検討した。【結果】等価食費低群と比較して高群では,たんぱく質やビタミン,ミネラル類,食物繊維摂取量が多かった。また,穀類摂取量は少なく,野菜類,魚介類等の摂取量は多かった。エネルギーコスト低群と比較して高群では,炭水化物摂取量が少なく,一方,銅以外の栄養素等摂取量は多かった。また,穀類摂取量は,高群ほど少なく,その他すべての食品群別摂取量は,高群で多かった。また,両指標とも,白飯摂取頻度は高群で少なかった。【結論】勤労者において等価食費やエネルギーコストが高い者は,穀類摂取量や白飯摂取頻度が少なく,野菜類や魚介類摂取量が多いことが示唆された。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.78.188