両側耳下腺膿瘍を初発症状とした HIV 感染症例

HIV 関連唾液腺疾患 HIV-associated salivary gland disease (以下 HSD) は HIV 感染の初期症状の一つであり, 通常は唾液腺の無痛性, 軟性, 多発性の嚢胞様病変を認める. 今回, HSD に感染を伴い, 両側耳下腺膿瘍を初発症状として HIV 感染の診断に至った1例を経験した. 症例は32歳男性, 両側耳下部腫脹を主訴に当院を受診した. 造影 CT にて両側耳下腺膿瘍を認め, 切開排膿・洗浄および穿刺排膿を行った. 血液検査にて HIV 感染症の診断に至った. HSD では感染を伴い耳下腺膿瘍を呈する可能性が示唆され, 特に両側耳下腺膿瘍の症例...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 119; no. 9; pp. 1220 - 1224
Main Authors 羽生, 昇, 佐藤, 靖夫, 松﨑, 佐栄子, 仙波, 可奈
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.09.2016
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.119.1220

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Summary:HIV 関連唾液腺疾患 HIV-associated salivary gland disease (以下 HSD) は HIV 感染の初期症状の一つであり, 通常は唾液腺の無痛性, 軟性, 多発性の嚢胞様病変を認める. 今回, HSD に感染を伴い, 両側耳下腺膿瘍を初発症状として HIV 感染の診断に至った1例を経験した. 症例は32歳男性, 両側耳下部腫脹を主訴に当院を受診した. 造影 CT にて両側耳下腺膿瘍を認め, 切開排膿・洗浄および穿刺排膿を行った. 血液検査にて HIV 感染症の診断に至った. HSD では感染を伴い耳下腺膿瘍を呈する可能性が示唆され, 特に両側耳下腺膿瘍の症例では HIV 感染の可能性も検討することが重要と考えられた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.119.1220