溶出試験によるPravastatin先発医薬品と後発医薬品の同等性に関する検討

「緒言」 近年, わが国では急速な高齢化に伴い, 国民医療費の増大が問題となっている. 2009年の国民医療費は36兆円を超え, 国民医療費の削減は大きな課題となっている. 1) わが国では, 国民医療費を削減する取り組みの1つとして, 後発医薬品(後発品)の使用が推進されている. 後発品は先発医薬品(先発品)の特許の期間が満了したのち, 販売される医薬品であり, 安定性試験・生物学的同等性試験を行うことで, 製造販売の承認が得られる. 新薬の開発期間が十数年であるのに対し, 後発品の開発期間は通常3-5年と短い. よって, 開発コストも大幅に抑えることができるため, 先発品よりも薬価を安く設...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 132; no. 8; pp. 939 - 944
Main Authors 寺元, 勝弥, 橋本, 直文, 竹内, 恵那, 片川, 純一, 野崎, 葵, 中内, 崇夫, 弓樹, 佳曜, 岡本, 拓也, 世古, 風子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.08.2012
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.132.939

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Summary:「緒言」 近年, わが国では急速な高齢化に伴い, 国民医療費の増大が問題となっている. 2009年の国民医療費は36兆円を超え, 国民医療費の削減は大きな課題となっている. 1) わが国では, 国民医療費を削減する取り組みの1つとして, 後発医薬品(後発品)の使用が推進されている. 後発品は先発医薬品(先発品)の特許の期間が満了したのち, 販売される医薬品であり, 安定性試験・生物学的同等性試験を行うことで, 製造販売の承認が得られる. 新薬の開発期間が十数年であるのに対し, 後発品の開発期間は通常3-5年と短い. よって, 開発コストも大幅に抑えることができるため, 先発品よりも薬価を安く設定することができる. しかし, 後発品の普及率は欧米諸国に比較して極めて低い. 2) その原因として, 後発品に対する情報の乏しさや品質への不安等が挙げられる. 3-6) 実際に, 今回対象としたプラバスタチンナトリウム製剤は, 先発品から後発品に使用を切り替えた際に様々な意見が生じた医薬品の1つで, その原因の究明が課題となっている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.132.939