閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者における食道内圧測定を用いた睡眠時嚥下に関する検討

睡眠時の嚥下がなぜ起こるかということに関して諸説あるが, 現時点では定まった見解および検査法はない. しかしながら嚥下性肺炎の多くに睡眠中の不顕性誤嚥が関与するといわれ, 睡眠時嚥下の評価法が必要と考えられる. 今回われわれは睡眠呼吸障害が疑われた症例に行った食道内圧測定を併用した終夜ポリソムノグラフィーのデータをもとに, 記録された嚥下波形から睡眠時の嚥下および睡眠との関係について検討を行った. 各睡眠段階における単位時間当たりの嚥下数について多くはStage 1で認められており, 次いでREM睡眠, Stage 2の順であった. Stage 3, 4ではほとんど嚥下は認められなかった. 今...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 112; no. 8; pp. 609 - 614
Main Authors 太田, 史一, 大橋, 正嗣, 千葉, 伸太郎, 森山, 寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 2009
日本耳鼻咽喉科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.112.609

Cover

More Information
Summary:睡眠時の嚥下がなぜ起こるかということに関して諸説あるが, 現時点では定まった見解および検査法はない. しかしながら嚥下性肺炎の多くに睡眠中の不顕性誤嚥が関与するといわれ, 睡眠時嚥下の評価法が必要と考えられる. 今回われわれは睡眠呼吸障害が疑われた症例に行った食道内圧測定を併用した終夜ポリソムノグラフィーのデータをもとに, 記録された嚥下波形から睡眠時の嚥下および睡眠との関係について検討を行った. 各睡眠段階における単位時間当たりの嚥下数について多くはStage 1で認められており, 次いでREM睡眠, Stage 2の順であった. Stage 3, 4ではほとんど嚥下は認められなかった. 今回の検討からは各睡眠段階における嚥下数に差が認められたが, 閉塞性睡眠時無呼吸症候の重症度による睡眠時嚥下数への影響は限定的であった.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.112.609