生体分子の立体構造と分子間相互作用の研究を振り返って
「1. はじめに」昭和45年4月, 生薬などの天然医薬品の構造-活性相関の研究をされていた井上正敏先生(大阪薬科大学)の薬品物理化学教室助手として採用され, 粉末X線回折法や熱分析法による「グリセロリン酸カルシウムの構造と物性」に関する研究を開始した. その後, 研究を進展させる上でX線結晶構造解析法を習得する必要性から, 大阪大学大学院薬学研究科修士課程(冨田研一先生の薬品物理化学講座)に進学した. 幸い, 3年後の昭和51年4月に本学の同研究室助手として再採用が認められ現在に至っている. 以来, 一貫して生体分子の立体構造とその分子間相互作用に関する構造化学的研究を行ってきた. すなわち,...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 132; no. 7; pp. 785 - 816 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.07.2012
日本薬学会 |
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Summary: | 「1. はじめに」昭和45年4月, 生薬などの天然医薬品の構造-活性相関の研究をされていた井上正敏先生(大阪薬科大学)の薬品物理化学教室助手として採用され, 粉末X線回折法や熱分析法による「グリセロリン酸カルシウムの構造と物性」に関する研究を開始した. その後, 研究を進展させる上でX線結晶構造解析法を習得する必要性から, 大阪大学大学院薬学研究科修士課程(冨田研一先生の薬品物理化学講座)に進学した. 幸い, 3年後の昭和51年4月に本学の同研究室助手として再採用が認められ現在に至っている. 以来, 一貫して生体分子の立体構造とその分子間相互作用に関する構造化学的研究を行ってきた. すなわち, X線結晶解析法を始め各種物理化学的手法を駆使し, 生理活性分子の立体構造と活性の相関について, また, 補酵素, 核酸やタンパク質構成分子とその標的分子との特異的相互作用(認識機構)の解明について研究を進めてきた. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.132.785 |