DPP-4阻害薬からデュラグルチドへ切り替え後血糖値,ヘモグロビンA1cが改善した2型糖尿病患者4症例

「緒言」Dipeptidyl peptidase-4(DPP-4)阻害薬は, glucagon-like peptide-1 (GLP-1)やglucose-dependent insulinotropic polypeptideの分解を抑制し, 内因性の活性型インクレチン濃度を上昇させるインクレチン関連薬である. 一方, DPP-4阻害薬と同じくインクレチン関連薬であるGLP-1受容体作動薬は, DPP-4の影響を受け難く皮下投与により直接的にGLP-1受容体活性を高める. インクレチン関連薬の主たる作用として, 血糖依存性に膵β細胞からのインスリン分泌を促進し, 膵α細胞からのグルカゴン過...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 138; no. 10; pp. 1323 - 1327
Main Authors 森﨑, 崇文, 水野, 雄二, 塩津, 和則, 星野, 輝彦, 下田, 賢一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.10.2018
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.18-00060

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Summary:「緒言」Dipeptidyl peptidase-4(DPP-4)阻害薬は, glucagon-like peptide-1 (GLP-1)やglucose-dependent insulinotropic polypeptideの分解を抑制し, 内因性の活性型インクレチン濃度を上昇させるインクレチン関連薬である. 一方, DPP-4阻害薬と同じくインクレチン関連薬であるGLP-1受容体作動薬は, DPP-4の影響を受け難く皮下投与により直接的にGLP-1受容体活性を高める. インクレチン関連薬の主たる作用として, 血糖依存性に膵β細胞からのインスリン分泌を促進し, 膵α細胞からのグルカゴン過剰分泌を抑制することが挙げられるが, その血糖降下作用はGLP-1受容体作動薬の方が強い. また, GLP-1受容体作動薬は, DPP-4阻害薬よりもインクレチンの膵外作用が強く, 満腹感の増加と食欲抑制に伴う体重減少, 胃内容排出遅延, 肝臓での糖産生の減少などの効果を認める.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.18-00060