メタボリックシンドロームにおける臍周囲径の妥当性

目的:メタボリックシンドロームの診断基準としての臍周囲径について,危険因子重複の有無や動脈硬化所見の有無に対するreceiver-operating characteristics curve(ROC曲線)を作成し,現行の臍周囲径と比較検討する.方法:当センター受診の健康診断,および人間ドック例3,332名(男性1,921名,女性1,411名)を対象とした.まず,危険因子(血圧,脂質,血糖値)を2つ以上重複する例において,臍周囲径72cmから95cmの間の10点に暫定的な基準値を設定し,ROC曲線を作成した.曲線から得られた最適尤度比の点から臍周囲径の基準値を想定した.同様に,眼底,心電図,脳...

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Published in人間ドック Vol. 22; no. 3; pp. 344 - 348
Main Authors 島尻, 艶子, 原, ひとみ, 神波, 智美, 曽根, 恵美子, 曲, 人保, 今川, 三余, 粉川, 美香, 石亀, 昌幸, 菊岡, 弘芳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2007
日本人間ドック学会
Subjects
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ISSN1880-1021
2186-5027
DOI10.11320/ningendock2005.22.344

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Summary:目的:メタボリックシンドロームの診断基準としての臍周囲径について,危険因子重複の有無や動脈硬化所見の有無に対するreceiver-operating characteristics curve(ROC曲線)を作成し,現行の臍周囲径と比較検討する.方法:当センター受診の健康診断,および人間ドック例3,332名(男性1,921名,女性1,411名)を対象とした.まず,危険因子(血圧,脂質,血糖値)を2つ以上重複する例において,臍周囲径72cmから95cmの間の10点に暫定的な基準値を設定し,ROC曲線を作成した.曲線から得られた最適尤度比の点から臍周囲径の基準値を想定した.同様に,眼底,心電図,脳磁気共鳴画像法(MRI)・磁気共鳴血管撮影法(MRA)検査,頸動脈超音波検査での動脈硬化所見の有無からもROC曲線を作成し,想定した基準値と比較した.次に,現行の臍周囲径で診断した場合と,想定した新たな臍周囲径を基にした場合における危険因子重複例と動脈硬化所見の見逃し率を比較した.結果:ROC曲線から読み取って得られた臍周囲径の基準値は男性85cm,女性80cmと想定された.想定された基準値による検討では,女性における動脈硬化所見を有する例の見逃し率が著しく改善した.結論:メタボリックシンドロームの診断基準における臍周囲径として男性85cm,女性80cmとすれば,女性の動脈硬化の見逃し率が低下する.
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock2005.22.344