あいりん地域特有の食生活を考慮した目安量表を用いた半定量食物摂取頻度調査票の妥当性の検討

【目的】あいりん地域でよく利用されている料理を参考にして作成した「目安量表」を用いて半定量食物摂取頻度調査法(Semi-Quantitative Food Frequency Questionnaire:FFQと略す)で調査を行った。その妥当性について検討することを本研究の目的とした。【方法】あいりん地域に生活の拠点を置く者を対象としてFFQを実施し,255名(全男性)の参加者を得た。このうち21名については食事記録についても協力が得られたため,この21名を本研究の対象者とした。食事記録より得られた値を基準とし,目安量表を用いたFFQより得られたエネルギー及び栄養素摂取量,食品群別摂取量につい...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 76; no. 3; pp. 45 - 56
Main Author 田原, 遠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 01.06.2018
日本栄養改善学会
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Summary:【目的】あいりん地域でよく利用されている料理を参考にして作成した「目安量表」を用いて半定量食物摂取頻度調査法(Semi-Quantitative Food Frequency Questionnaire:FFQと略す)で調査を行った。その妥当性について検討することを本研究の目的とした。【方法】あいりん地域に生活の拠点を置く者を対象としてFFQを実施し,255名(全男性)の参加者を得た。このうち21名については食事記録についても協力が得られたため,この21名を本研究の対象者とした。食事記録より得られた値を基準とし,目安量表を用いたFFQより得られたエネルギー及び栄養素摂取量,食品群別摂取量について相関係数を用いて妥当性を検討した。【結果】エネルギー及び栄養素摂取量における相関係数の中央値は粗値で0.57,エネルギー調整,de-attenuation後では0.56であった。相関係数0.4以上が得られたのは粗値でも,エネルギー調整,de-attenuation後でも33項目中28項目であった。食品群別摂取量における相関係数の中央値は粗値,エネルギー調整後共に0.50であり,相関係数0.4以上が得られたのは粗値,エネルギー調整後共に17項目中12項目であった。【結論】様々な制約はあるものの,この目安量表を用いたFFQは今回の対象者においてある程度有効なツールになり得ることが示された。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.76.45