アンケートを用いた舌下免疫療法に関するスギ花粉症患者の実態調査 1シーズン目と2シーズン目の比較
スギ花粉症に対する舌下免疫療法が臨床応用され2シーズンが経過した. しかし, 治療の実態には不明な点が多い. 今回, 舌下免疫療法開始1シーズン終了群140例と2シーズン終了群132例に質問票を用いて服薬状況, 自覚的治療効果, 副反応, 治療満足度, 治療に伴う負担などについて検討を行った. その結果, 服薬状況は両群で90%以上の患者が毎日服薬しており, 有効性を自覚していることが示唆された. また, 副反応は1シーズン終了群では21.4%に認められたが, 2シーズン終了群では2.2%と減少し, 多くが口腔内病変であった. 副反応のすべてが特に処置を必要としない軽微な反応であった. 90%...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 120; no. 7; pp. 914 - 922 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
20.07.2017
日本耳鼻咽喉科学会 |
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Summary: | スギ花粉症に対する舌下免疫療法が臨床応用され2シーズンが経過した. しかし, 治療の実態には不明な点が多い. 今回, 舌下免疫療法開始1シーズン終了群140例と2シーズン終了群132例に質問票を用いて服薬状況, 自覚的治療効果, 副反応, 治療満足度, 治療に伴う負担などについて検討を行った. その結果, 服薬状況は両群で90%以上の患者が毎日服薬しており, 有効性を自覚していることが示唆された. また, 副反応は1シーズン終了群では21.4%に認められたが, 2シーズン終了群では2.2%と減少し, 多くが口腔内病変であった. 副反応のすべてが特に処置を必要としない軽微な反応であった. 90%以上で治療の継続を希望しており, 舌下免疫療法はスギ花粉症の治療法の有効な方法の一つであるが, 副反応への対応を念頭に置くことが肝要であると考えられた. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.120.914 |