日本語版抑うつ状態チェックリストの改訂
「問題」Teasdale & Barnard(1993)の理論では, 抑うつに対して脆弱な個人は, 抑うつ気分を喚起したときに, 全般的でネガティブな自己に対する視点を経験しやすいと示唆されている. つまり, 抑うつ気分を喚起したときに, 特に自己を「全般的」に否定する視点を伴った場合, 自己や状況のあらゆる側面を否定的に評価しやすく, また, 幅広い範囲のネガティブな記憶を想起しやすくなり, その結果, 抑うつを持続させやすくなるということである. この仮説を検討するために, Teasdale & Cox(2001)は, 経験された抑うつ気分が, 情動的成分と全般的でネガティ...
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Published in | パーソナリティ研究 Vol. 19; no. 1; pp. 68 - 71 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本パーソナリティ心理学会
2010
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Summary: | 「問題」Teasdale & Barnard(1993)の理論では, 抑うつに対して脆弱な個人は, 抑うつ気分を喚起したときに, 全般的でネガティブな自己に対する視点を経験しやすいと示唆されている. つまり, 抑うつ気分を喚起したときに, 特に自己を「全般的」に否定する視点を伴った場合, 自己や状況のあらゆる側面を否定的に評価しやすく, また, 幅広い範囲のネガティブな記憶を想起しやすくなり, その結果, 抑うつを持続させやすくなるということである. この仮説を検討するために, Teasdale & Cox(2001)は, 経験された抑うつ気分が, 情動的成分と全般的でネガティブな自己に対する視点のそれぞれを描写した形容詞群にどの程度合致するのかを評定する, 抑うつ状態チェックリスト(the Depressive States Checklist:DSC)を開発した. そして, DSCを用いた研究により, 大うつ病性障害群は抑うつ傾向低群に比べ, ネガティブな自己視点形容詞群の得点が高いという仮説を支持する知見が得られた(Teasdale & Cox, 2001). |
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ISSN: | 1348-8406 1349-6174 |
DOI: | 10.2132/personality.19.68 |