四肢筋に広範に進展した腫瘤型筋サルコイドーシス

症例は47歳の女性. 1997年に両ぶどう膜炎と診断された. 1年後に右腓腹筋内に腫瘤が出現し, 摘出標本の病理組織像は非乾酪性類上皮細胞肉芽腫であった. 縦隔・肺門リンパ節腫大, 気管支肺胞洗浄液中リンパ球増加, CD4/8上昇がみられ, 眼, 胸郭内病変を伴う腫瘤型筋サルコイドーシスと診断した. 腫瘤はMRIではT1, T2強調画像ともに高信号を呈し, ガドリニウムで増強された. ガリウムシンチグラフィーでは結節状の集積として認められた. その後, 7年の経過で筋腫瘤は徐々に増加し, 四肢筋全体に広がっていった. 初診時には正常であった血清アンギオテンシン変換酵素, リゾチームは7年後には...

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Published inNIHON SARUKOIDOSHISU / NIKUGESHUSHIKKAN (The Japanese journal of sarcoidosis and other granulomatous disorders ) Vol. 26; no. 1; pp. 51 - 56
Main Authors 西武, 孝浩, 宮崎, 英士, 安東, 優, 深見, 徹二朗, 松野, 治, 上野, 拓也, 濡木, 真一, 伊東, 猛雄, 大久保, 俊之, 竹中, 隆一, 広重, 滋夫, 小野, 恵美子, 熊本, 俊秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会 2006
Japan Society of Sarcoidosis and other Granulomatous Disorders
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Summary:症例は47歳の女性. 1997年に両ぶどう膜炎と診断された. 1年後に右腓腹筋内に腫瘤が出現し, 摘出標本の病理組織像は非乾酪性類上皮細胞肉芽腫であった. 縦隔・肺門リンパ節腫大, 気管支肺胞洗浄液中リンパ球増加, CD4/8上昇がみられ, 眼, 胸郭内病変を伴う腫瘤型筋サルコイドーシスと診断した. 腫瘤はMRIではT1, T2強調画像ともに高信号を呈し, ガドリニウムで増強された. ガリウムシンチグラフィーでは結節状の集積として認められた. その後, 7年の経過で筋腫瘤は徐々に増加し, 四肢筋全体に広がっていった. 初診時には正常であった血清アンギオテンシン変換酵素, リゾチームは7年後にはそれぞれ74.6IU/l, 46.0μg/mlまで上昇し, MRI上, 高信号域は下腿筋全体から上下肢に広がり, ガリウムシンチグラフィーでの取り込みも上下肢びまん性になった. しかし筋萎縮, 筋力低下はみられていない. 筋腫瘤型とミオパチー型の異同を考える上で貴重な症例と考え報告する.
ISSN:1345-0565
1884-6122
DOI:10.14830/jssog1999.26.51