頭頸部扁平上皮癌に対する化学療法併用放射線治療後の頸部転移リンパ節の評価

背景: 化学療法併用放射線治療 (CCRT) が頭頸部扁平上皮癌 (HNSCC) 進行例に対し施行される機会が増えている. 頸部リンパ節の制御は予後に関与するため CCRT 後の治療効果判定は救済手術の判断に重要な役割を担う.  患者と方法: 頸部リンパ節転移を有する HNSCC 症例に対し CCRT 施行後, 4~8週間後に画像検査および細胞診を施行し CR 群と no-CR 群に2分し治療終了6カ月後の臨床経過と比較することで検査精度を評価した.  結果: 感度, 特異度, 陽性的中率, 陰性的中率, 精度はそれぞれ CT・MRI で66.7%, 73.5%, 26.7%, 93.8%,...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 117; no. 7; pp. 899 - 906
Main Authors 西村, 剛志, 小松, 正規, 田口, 享秀, 高橋, 優宏, 佐野, 大佑, 佐久間, 直子, 荒井, 康裕, 高橋, 秀聡, 田中, 恭子, 澤熊, 香衣, 折舘, 伸彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.07.2014
日本耳鼻咽喉科学会
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Summary:背景: 化学療法併用放射線治療 (CCRT) が頭頸部扁平上皮癌 (HNSCC) 進行例に対し施行される機会が増えている. 頸部リンパ節の制御は予後に関与するため CCRT 後の治療効果判定は救済手術の判断に重要な役割を担う.  患者と方法: 頸部リンパ節転移を有する HNSCC 症例に対し CCRT 施行後, 4~8週間後に画像検査および細胞診を施行し CR 群と no-CR 群に2分し治療終了6カ月後の臨床経過と比較することで検査精度を評価した.  結果: 感度, 特異度, 陽性的中率, 陰性的中率, 精度はそれぞれ CT・MRI で66.7%, 73.5%, 26.7%, 93.8%, 72.5%, 頸部超音波検査 (US) で91.7%, 69.9%, 30.6%, 98.3%, 72.6%, FDG-PET/PET-CT で50.0%, 96.4%, 66.7%, 93.0%, 90.5%, 細胞診で68.4%, 96.1%, 81.3%, 92.5%, 90.6%であった.  考察: CCRT 後の頸部リンパ節転移への治療効果判定には US が陽性スクリーニングとして, FDG-PET/PET-CT が陰性スクリーニングとして有用であった. これらの検査結果が臨床経過と乖離した場合は高精度検査である細胞診を併用し診断能力の向上が可能と考えられた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.117.899