若年健常男性を対象とした小さいスプーンを用いることによる食事量の抑制効果
目的:若年健常男性を対象に小さいスプーンを用いることによる食事量の抑制効果を検討すること.方法:喫煙習慣のない健常な男子大学生21名を対象とした.非ランダム化クロスオーバー試験にて,カレーライスを普通スプーンで食べた場合と小さいスプーンで食べた場合の食事量,食事時間,満腹感等を比較した.小さいスプーンを用いることによる食事量の抑制効果は,普通スプーンで1食につき推定エネルギー必要量よりも多く摂取している者ほど大きい可能性がある.そのため,各対象者の普通スプーンでのエネルギー摂取量と推定エネルギー必要量の差を求め,その中央値で2群(エネルギー摂取高群,エネルギー摂取低群)に分けて両スプーンで食べ...
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Published in | 日本健康教育学会誌 Vol. 30; no. 2; pp. 135 - 145 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本健康教育学会
31.05.2022
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Subjects | |
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ISSN | 1340-2560 1884-5053 |
DOI | 10.11260/kenkokyoiku.30.135 |
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Summary: | 目的:若年健常男性を対象に小さいスプーンを用いることによる食事量の抑制効果を検討すること.方法:喫煙習慣のない健常な男子大学生21名を対象とした.非ランダム化クロスオーバー試験にて,カレーライスを普通スプーンで食べた場合と小さいスプーンで食べた場合の食事量,食事時間,満腹感等を比較した.小さいスプーンを用いることによる食事量の抑制効果は,普通スプーンで1食につき推定エネルギー必要量よりも多く摂取している者ほど大きい可能性がある.そのため,各対象者の普通スプーンでのエネルギー摂取量と推定エネルギー必要量の差を求め,その中央値で2群(エネルギー摂取高群,エネルギー摂取低群)に分けて両スプーンで食べた際の食事量,食事時間等を比較した.結果:対象者全体では,スプーンの違いによる食事量等の差はなかった.エネルギー摂取高群の食事量の中央値(25, 75パーセンタイル値)は,普通スプーン680.0 (674.0, 893.0) gより小さいスプーン592.0 (581.0, 679.0) gが少なく(P=0.026),エネルギー摂取量も小さいスプーンを用いた場合が低値だった(P=0.026).両条件で食事時間,食事中の飲水量,食後の満腹感に差はなかった.結論:若年健常男性においては,普通スプーンでエネルギー摂取量が多い者に限り,小さいスプーンを用いることで食事量が抑制される可能性が示唆された. |
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ISSN: | 1340-2560 1884-5053 |
DOI: | 10.11260/kenkokyoiku.30.135 |