小児白血病・リンパ腫の診療ガイドライン作成の経緯と今後

「I. はじめに」日本小児血液学会では, 日本癌治療学会の呼びかけを契機に医療者と患者が共有できる客観的医療情報を提供することを目的に, 小児白血病・リンパ腫の診療ガイドラインの作成を開始した. その第一歩として小児白血病・リンパ腫の治療選択の考え方とその手順に関するガイドラインを作成して「小児白血病・リンパ腫の診療ガイドライン(2007年版)」として出版した. このガイドラインは, 世界の標準的治療の考え方を踏まえて学会としてのコンセンサスを提示したものであり, 患者が治療を選択するうえで拠りどころになるものと期待している. なお, 今回のガイドラインは, 根拠になった重要文献の構造化抄録を...

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Published inThe Japanese Journal of Pediatric Hematology Vol. 22; no. 4; pp. 256 - 258
Main Author 堀部, 敬三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 2008
日本小児血液学会
THE JAPANESE SOCIETY OF PEDIATRIC HEMATOLOGY/ONCOLOGY
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.22.256

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Summary:「I. はじめに」日本小児血液学会では, 日本癌治療学会の呼びかけを契機に医療者と患者が共有できる客観的医療情報を提供することを目的に, 小児白血病・リンパ腫の診療ガイドラインの作成を開始した. その第一歩として小児白血病・リンパ腫の治療選択の考え方とその手順に関するガイドラインを作成して「小児白血病・リンパ腫の診療ガイドライン(2007年版)」として出版した. このガイドラインは, 世界の標準的治療の考え方を踏まえて学会としてのコンセンサスを提示したものであり, 患者が治療を選択するうえで拠りどころになるものと期待している. なお, 今回のガイドラインは, 根拠になった重要文献の構造化抄録を添えて日本小児血液学会ホームページ上に公開する予定である. 本稿では, がん診療ガイドラインの作成の経緯, 内容の構成, 今後の方向性にっいて述べる. 「II. ガイドライン作成の経緯」日本のがん医療の現場において「エビデンスに基づいた医療(EBM)」の概念が浸透する中で, 厚生労働省から日本癌治療学会に「抗がん剤適正使用ガイドライン」の作成が委託され, 患者団体からもガイドラインの作成とその一般公開が強く要求されるようになってきた.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.22.256